中医協総会は８月23日、ファイザーの円形脱毛症治療薬・リットフーロカプセルなど、新薬６成分６品目の薬価収載を了承した。収載日は、８月30日。ピーク時予想売上高が100億円以上の品目は、リットフーロカプセルとエムパベリ皮下注の２品目。リットフーロカプセルは費用対効果評価（H１品目）の対象となった。

８月30日付で収載される製品は以下のとおり（カッコ内は成分名と薬価収載希望会社）。投与経路・薬効分類順。

▽コレチメント錠９ｍｇ（ブデソニド、フェリング・ファーマ）
薬効分類：内239　その他の消化器官用薬（活動期潰瘍性大腸炎（重症を除く））
効能・効果：活動期潰瘍性大腸炎（重症を除く）
薬価：９ｍｇ１錠 607.80円（１日薬価：607.80円）
市場予測（ピーク時５年後）：投与患者数4.5万人、販売金額15億円
類似薬効比較方式（Ⅰ）(組成及び投与形態が同一で効能及び効果が異なる既収載品がある新薬の薬価算定の特例)
加算：なし
新薬創出等加算：該当しない
費用対効果評価：該当しない

▽リットフーロカプセル50mg （リトレシチニブトシル酸塩、ファイザー）
薬効分類：内399　他に分類されない代謝性医薬品（円形脱毛症（ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る））
効能・効果：円形脱毛症（ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る）
薬価：50ｍｇ１カプセル 5802.40円（１日薬価：5802.40円）
市場予測（ピーク時10年後）：投与患者数1.1万人、販売金額156億円
類似薬効比較方式（Ⅰ）
加算：・有用性加算（Ⅱ）（A＝５％、ハ．治療方法の改善（不十分例）: ③－a＝1p〕）比較薬オルミエント錠が承認を有さない12歳以上の小児円形脱毛症患者に対しても有用性が認められていることから、有用性加算（Ⅱ）（Ａ＝５％）を適用することが適当と判断した。

・小児加算（Ａ＝５％）、本剤は小児に係る用法・用量が明示されていること等から、加算の要件に該当する。日本人の試験組み入れ数等を踏まえ、加算率は５％が妥当である。

新薬創出等加算：該当する（主な理由：加算適用）
費用対効果評価：該当する（Ｈ１）

▽リトゴビ錠４ｍｇ（フチバチニブ、大鵬薬品）
薬効分類： 内429その他の腫瘍用薬（がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌）
効能・効果：がん化学療法後に増悪したＦＧＦＲ２融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
薬価：４ｍｇ１錠 1万252.50円（１日薬価：5万1262.50円）
市場予測（ピーク時４年後）：投与患者数32人、販売金額3.7億円
類似薬効比較方式（Ⅰ）
加算：なし
新薬創出等加算：該当する（主な理由：加算適用品等の収載から３年以内３番手以内）
費用対効果評価：該当しない

▽エムパベリ皮下注1080mｇ（ペグセタコプラン、Swedish Orphan Biovitrum Japan）
薬効分類： 注399　他に分類されない代謝性医薬
効能・効果： 発作性夜間ヘモグロビン尿症
薬価：1080ｍｇ20mL１瓶 48万8121円（１日薬価：13万9463円）
市場予測（ピーク時10年後）：投与患者数226人、販売金額110億円
類似薬効比較方式（Ⅰ）
加算：有用性加算（Ⅱ）（A＝５％、ハ．治療方法の改善（不十分例: ③－a＝1p〕）、臨床試験において、比較薬エクリズマブ（遺伝子組換え）で効果不十分な患者を対象として、有効性が認められていることから、有用性加算（Ⅱ）（Ａ＝５％）を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算：該当する（主な理由：加算適用）
費用対効果評価：該当しない

▽オンキャスパー点滴静注用3750（ペグアスパルガーゼ、日本セルヴィエ）
薬効分類： 注429　その他の腫瘍用薬（急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫）
効能・効果：急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫
薬価：3750国際単位１瓶　23万637円
市場予測（ピーク時５年後）：投与患者数646人、販売金額5.2億円
原価計算方式
加算：・有用性加算（Ⅱ）（A＝５％、〔ハ．治療方法の改善（不十分例）: ③－a＝1p〕）、既存の治療方法であるＬ－アスパラギナーゼ製剤に対して過敏症を示し、同剤が使用できなくなった患者に対しての有効性が示されていること等から、有用性加算（Ⅱ）（Ａ＝５％）を適用することが適当と判断した。
・小児加算（Ａ＝５％）、本剤の効能・効果及び用法・用量は小児と成人の区別がされておらず、小児にも使用可能であること等から、加算の要件に該当する。国内臨床における小児の組み入れ数等を踏まえ、加算率は５％が妥当である。
→加算係数が０であるため、補正加算はゼロが適用された。

新薬創出等加算：該当する
費用対効果評価：該当しない

▽アクトヒブ（乾燥ヘモフィルスｂ型ワクチン（破傷風トキソイド結合体）、サノフィ）
薬効分類： 注631　ワクチン類（インフルエンザ菌b型による感染症の予防）
効能・効果：インフルエンザ菌b 型による感染症の予防
薬価：10μｇ１瓶（溶解液付） 4941円（１日薬価：4941円）
市場予測（ピーク時初年度）：投与患者数180人、販売金額89万円
類似薬効比較方式（Ⅰ）
加算：有用性加算（Ａ＝５％、〔ハ．治療方法の改善（標準的治療法）: ③－b＝1p〕本剤は、本邦において予防接種法において定期接種のワクチンと位置づけられていることから、有用性加算（Ⅱ）（Ａ＝５％）を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算：該当する（主な理由：加算適用）
費用対効果評価：該当しない