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初のRSVに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ」など6製品を審議へ 薬食審・第二部会で

公開日時 2023/11/14 04:45
厚生労働省は11月27日に薬食審・医薬品第二部会を開き、ファイザーのRSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ筋注用」など新薬6製品の承認の可否を審議する。アブリスボは妊婦に接種することで、母体から胎児へ移行するRSウイルス(RSV)中和抗体価を高め、乳児において、出生時からRSVを原因とする下気道疾患を予防することを目的とする。承認されれば初のRSVに対する母子免疫ワクチンとなる。

なお、この日は報告品目はない。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
フェトロージャ点滴静注用1g(セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物、塩野義製薬):「セフィデロコルに感性の大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア・マルセスセンス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、緑膿菌、バークホルデリア属、ステノトロホモナス・マルトフィリア、アシネトバクター属(ただし、カルバペネム系抗菌薬に耐性を示す菌株に限る)による各種感染症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

細胞壁合成阻害作用を持つ注射用セファロスポリン系抗生物質製剤。カルバペネム系抗菌薬に耐性が考えられるグラム陰性菌による各種感染症を対象疾患に開発した。

ビンゼレックス皮下注160mgシリンジ、同皮下注160mgオートインジェクター(ビメキズマブ(遺伝子組換え)、ユーシーイージャパン):「既存治療で効果不十分な乾癬性関節炎、強直性脊椎炎及びX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

炎症性サイトカインのIL-17AとIL-17Fを選択的に阻害するヒト化モノクローナルIgG1抗体。現在は既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応としている。

乾癬性関節炎(PsA)は重度の慢性かつ全身性炎症疾患。症状は関節の痛みや腫れのほか、皮疹、手や足の指が腫れる指趾炎、腱や靭帯が骨に付着する部分に生じる腱付着部炎などがある。

強直性脊椎炎(AS)とX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)は、体軸性脊椎関節炎(axSpA)に分類される。ASはX線基準を満たす体軸性脊椎関節炎(r-axSpA)とも呼ばれる。どちらも慢性の自己免疫による炎症性疾患で、仙腸関節の構造的障害を示す確定的なX線所見が認められるとAS、認められない場合はnr-axSpA となる。axSpAは、主に脊椎や骨盤、仙腸関節の靭帯付着部に炎症が生じ、痛みを伴う。

イブグリース皮下注250mgシリンジ、同皮下注250mgオートインジェクター(レブリキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

IL-13に対して高親和性に結合するIgG4 モノクローナル抗体。サイトカインであるIL-13はアトピー性皮膚炎において重要で、皮膚の2型炎症を引き起こし、皮膚バリア障害、痒み、皮膚の肥厚化および感染を引き起こすとされている。

アブリスボ筋注用(組換えRSウイルスワクチン、ファイザー):「妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

組換え2価融合前Fタンパク質抗原含有RSウイルスワクチン。同ワクチンは妊婦に接種し、母体から胎児へ移行するRSウイルス(RSV)中和抗体価を高めることで、乳児において、出生時からRSVを原因とする下気道疾患を予防することを目的とする。承認されれば国内初の母子免疫のためのRSVワクチンとなる。

RSVは世界中に広く分布しており、ほぼすべての乳幼児が2歳までに感染する。乳児の細気管支炎やウイルス性肺炎の主な原因で、特に生後6カ月齢未満で感染すると、重症化するといわれている。日本では、毎年約12万~14万人の2歳未満の乳幼児がRSV感染症と診断され、約4分の1が入院を必要とすると推定されている。

▽①ターゼナカプセル0.1mg、②同カプセル0.25mg、③同カプセル1mg(タラゾパリブトシル酸塩、ファイザー):①と②は「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」、②と③は「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

DNA修復で重要な役割を果たしているPARP1とPARP2の阻害薬。PARP触媒活性の阻害とPARPトラッピングという2つの機序によって、相同組換え修復または他のDNA修復経路に関与する遺伝子に変異または欠損がある腫瘍細胞で合成致死を誘導する。

なお、去勢抵抗性前立腺がんの申請に用いた国際共同第3相試験(TALAPRO2)は、同剤にエンザルタミドを併用した試験が行われた。両剤併用投与群はプラセボ+エンザルタミド投与群と比較して主要評価項目の画像診断に基づく無増悪生存期間の延長が認められた。両剤併用投与群に新たな安全性の懸念は認められなかった。

レブロジル皮下注用25mg、同皮下注用75mg(ルスパテルセプト(遺伝子組換え)、ブリストル マイヤーズ スクイブ):「骨髄異形成症候群に伴う貧血」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。

TGF‒β阻害薬。骨髄異形成症候群(MDS)の疾患の経過とともに約80%~90%の患者で貧血を発症する。貧血を呈するMDS患者の多くは、正常な赤血球の循環量を確保するために定期的に輸血が必要となるが、頻繁な輸血によって鉄過剰症、輸血反応、輸血血液からの感染など多くのリスクにさらされ、輸血の負荷が高くなると低リスクMDS患者の生存率を低下させることが報告されている。日本におけるMDSの罹患率は人口10万人あたり年間約3.0例、MDS患者の総数は約2万2000人とされる。
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