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厚労省 6製品の効能追加など承認 タフィンラーとメキニスト併用療法にBRAF変異固形腫瘍など追加

公開日時 2023/11/27 04:51
厚生労働省は11月24日、6製品の効能追加などを承認した。ノバルティス ファーマのタフィンラーとメキニストの併用療法にBRAF遺伝子変異陽性の進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)の効能が追加され、初めてがん種横断的な適応を取得した。また、この固形腫瘍の適応では、体重26kg以上の小児患者の用法・用量も併せて承認された。

効能追加などが承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元。薬効分類順に記載)

イグザレルト錠10mg、同細粒分包10mg、同OD錠10mg、同ドライシロップ小児用51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg、同錠2.5mg(リバーロキサバン、バイエル薬品):「フォンタン(Fontan)手術施行後の血栓・塞栓形成の抑制」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類3339。

選択的直接作用型第Ⅹa因子阻害薬。フォンタン手術は、先天性心疾患患者を対象に、低酸素血症(チアノーゼ)の改善と心室容量負荷の軽減を目的として行われる。フォンタン手術後患者では、血小板の機能亢進、凝固系の亢進および線溶系の機能低下が認められ、血栓塞栓症の発現リスクが高いことから、抗血小板薬または抗凝固薬による血栓予防が必要とされている。現在、フォンタン手術施行患者の血栓・塞栓形成の抑制のため、アスピリンまたはワルファリンの投与が推奨されている。

アドセトリス点滴静注用50mg(ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)、武田薬品):「CD30陽性の再発又は難治性の皮膚T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は5年10カ月。薬効分類429。

細胞表面マーカーCD30を標的とする抗体薬物複合体(ADC)。今回追加された適応の用法・用量は、「通常、成人には、ブレンツキシマブ ベドチンとして3週間に1回1.8mg/kg(体重)を点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する」。

CD30陽性の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は悪性リンパ腫の一種。CTCLに対して現在用いられるほとんどの治療法は、十分な奏効率、奏効期間ではないことが多く、新たな治療選択肢が望まれている。

イミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(デュルバルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年7月1日まで)。薬効分類429。

抗PD-L1抗体。切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法の適応に対して現在、体重当たりの用量を2週間間隔で投与しているが、今回1500mgの固定用量を4週間間隔で投与するように改められた。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「悪性中皮腫(悪性胸膜中皮腫を除く)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類429。

抗PD-1抗体。今回追加された適応の用法・用量は、「通常、成人にはニボルマブとして、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する」となり、既承認の再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんや原発不明がんと同様となる。

悪性中皮腫は、悪性胸膜中皮腫、悪性腹膜中皮腫、悪性心膜中皮腫及び悪性精巣鞘膜中皮腫に分類される。なお、オプジーボは悪性胸膜中皮腫の効能・効果は既に取得している。

タフィンラーカプセル50mg、同75mg(ダブラフェニブメシル酸塩、ノバルティス ファーマ)
メキニスト錠0.5mg、同2mg(トラメチニブ ジメチルスルホキシド不可物、ノバルティス ファーマ)
:いずれも「標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」及び「BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。いずれも希少疾病用医薬品。いずれも再審査期間は10年。いずれも薬効分類429。

タフィンラーはBRAFキナーゼ活性を阻害し、腫瘍増殖を抑える。メキニストはBRAF遺伝子変異による腫瘍増殖に関わる酵素であるMEK(MEK1、同2)を阻害する作用を持つ。これにより腫瘍の増殖を抑える。今回追加する2適応は、いずれも両剤の併用療法で用いる。

両剤の併用療法として初のがん種横断的な適応となる「固形腫瘍(結腸・直腸がんを除く)」の用法・用量は、タフィンラーは▽成人には1回150mgを1日2回、▽小児には体重に合わせた規定の用量を1日2回――でいずれも空腹時に経口投与で用いるが、患者の状態により適宜減量する。メキニストは▽成人には2mgを1日1回、▽小児には体重に合わせた規定の用量を1日1回――で空腹時に経口投与で用いるが、患者の状態により適宜減量する。

まれな低悪性度成熟B細胞腫瘍である有毛細胞白血病に対する用法・用量は、両剤とも、既承認のBRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんと同様となる。
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