地域医療構想の推進や地域包括ケアシステムの構築がなぜ必要なのか。もちろん、患者に医療をはじめとする適切なヘルスケアサービスを提供するためだ。端的に言えば地域や患者のニーズに応えていくことにほかならず、マーケティング的な観点からいえば健全かつ持続可能性の高い市場の育成・拡大である。つまり地域包括ケアシステムの構築などは製薬企業のビジネスにも直結している施策といえる。しかし、それらを実現するための医療機関の機能分化や介護を含めた施設間の連携への動きは、全ての団塊世代が後期高齢者になる2025年を前にしても全体的に鈍く、地域や施設によってバラつきがある。ボトルネックとなっているのは急性期医療と在宅医療・介護を結ぶ回復期機能の整備の遅れだ。同機能の一つである地域包括ケア病棟の機能を確立・拡充し、地域...