大正製薬ホールディングスは1月16日、上原茂氏が代表取締役社長を務める大手門株式会社が実施した普通株式の公開買付け（TOB）が成立したと発表した。今回は創業家主導の経営陣による自社買収（MBO：マネジメント・バイアウト）として行われたもの。応募株券等の総数は6003万4194 株で、買付予定数の下限5465万900株以上となり、1月15日をもって成立した。大正製薬HDは今後、3月に予定する臨時株主総会などの手続きを経て上場廃止となる。

TOBは2023年11月27日～24年1月15日まで1株8620円で行われた。今回の経営陣による自社買収（MBO）は、主力事業であるセルフメディケーションと医薬事業がともに変革期を迎えており、「グループの持続的な成長を実現していくことが困難」と判断したことによる。今回のTOBにより、大手門株式会社の上原茂取締役社長（大正製薬HD取締役副社長）が議決権の73.12％を取得した。これにより上原茂氏が大正製薬HDの次期社長に昇格する見通し。

同社は昨年11月24日の取締役会で、MBOの実施による企業価値向上の具体策として、①セルフメディケーション事業における営業体制の抜本的な見直し及び自社ＥＣサイトの拡大、②高品質な製品の安定的かつ長期的な製造に向けた生産管理への梃入れ、③海外事業における、製品ポートフォリオの拡大及び事業の拡大に向けた投資、④医薬事業におけるオープンイノベーション、バイオベンチャーや製薬企業との技術提携等を通じた新薬開発、⑤採用方針や報酬制度等を含む人事制度の抜本的見直し―に注力する方針を明示していた。