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先天性プロテインC欠乏症治療薬・セプーロチンなど新薬5製品承認へ 薬食審・第二部会が了承

公開日時 2024/02/26 04:50
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は2月22日、武田薬品の先天性プロテインC欠乏症治療薬・セプーロチン静注用など新薬5製品の承認を了承した。3製品は小児用量の追加で、アストラゼネカの重症喘息治療薬・ファセンラ皮下注の6歳以上12歳未満の小児用量と、ファイザーの再発・難治のCD22陽性急性リンパ性白血病治療薬・べスポンサ点滴静注用の小児用量は、いずれも日本が最初の承認国となる見通し。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
リフキシマ錠200mg(リファキシミン、あすか製薬):「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。

リファマイシン系の難吸収性抗菌薬。16年9月に「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。小児に対する用法・用量は成人と同じく、1回400mgを1日3回食後に経口投与して用いる。小児用量の追加について、日本小児栄養消化器肝臓学会から厚労省に承認を求める要望書が提出されていた。

海外での小児用量の承認状況は、23年6月時点で44の国・地域で承認され、うち12歳未満はメキシコ、レバノン、チュニジアの3カ国で承認されている。

▽①ファセンラ皮下注30mgシリンジ、②同皮下注10mgシリンジ(ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を効能・効果とし、小児用量を追加する、①は新用量医薬品。②は新用量・剤形追加に係る医薬品。再審査期間は4年。

抗IL-5受容体α抗体。18年1月に「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。今回追加する小児の用法・用量は、▽12歳以上の小児、▽体重35kg以上の6歳以上12歳未満の小児――は既承認の成人の用法・用量と同じ。体重35kg未満の6歳以上12歳未満の小児に対しては、1回10mgを初回、4週後、8週後に皮下に注射し、以降、8週間隔で皮下に注射して用いる。

海外での小児重症喘息に対する承認状況は、23年12月時点で、12歳以上に対しては米国を含む3つの国・地域で承認されているが、6歳以上12歳未満に対して承認されている国・地域はない。

日本で重症喘息に対する生物学的製剤には、ファセンラのほか、抗IgE抗体・ゾレアや抗IL-5抗体・ヌーカラ、抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントがある。ゾレアは小児も含めた投与量換算表が設定されている。ヌーカラは「①6歳以上12歳未満②12歳以上の小児」、デュピクセントは「12歳以上の小児」の用法・用量が設定されている。

セプーロチン静注用1000単位(乾燥濃縮人プロテインC、武田薬品):「先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症及び電撃性紫斑病の治療及び血栓形成傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。承認条件として全例調査がついた。

ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤。用法・用量は、▽急性期治療及び血栓形成傾向の抑制における短期補充(周術期、抗凝固療法開始時等)、▽血栓形成傾向の抑制における長期補充――で設定される。

対象疾患である先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCを先天的に欠乏していることにより血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する。セプーロチンは、内因性プロテインCと同様に抗凝固作用を発揮する。

厚労省は、KMバイオロジクスの乾燥濃縮人活性化プロテインC製剤・注射用アナクトCとの臨床上の位置づけの違いについて、アナクトCは血栓症発症患者に対する治療選択肢なのに対し、セプーロチンは血栓症発症患者(急性期治療)のほかに、血栓症発症抑制のための短期又は長期の補充療法としても使用できる点が異なると説明した。海外でセプーロチンは、欧米など40カ国以上で承認されている。

オビザー静注用500(スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、武田薬品):「後天性血友病A患者における出血抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。承認条件として全例調査がついた。

遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII 因子製剤。後天性血友病Aに対して現在、主にバイパス製剤が使用されているが、オビザーは直接第VIII因子を補充するもの。オビザーの用法・用量は、「本剤は添付の日本薬局方注射用水1mLで溶解し、緩徐に静脈内に注射して用いる。18歳以上の患者には、初回投与量は体重1kg当たり200単位とする。その後は、出血の程度に応じて、血液凝固第VIII因子活性や患者の状態を確認しながら投与量と投与頻度を調節する」。

対象疾患である後天性血友病Aは、正常な第VIII 因子遺伝子を有する患者に凝血促進作用の機能的欠損を引き起こす、ヒト血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター(自己抗体)の出現に起因する、まれな出血性疾患。海外でオビザーは、米国、欧州など30以上の国と地域で承認されている。

ベスポンサ点滴静注用1mg(イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)、ファイザー):「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。

抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22抗体。18年1月に「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病(ALL)」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。今回追加する小児の用法・用量は、投与量は成人と同じく体表面積と患者の状態により決まるが、サイクルは小児と成人で異なり、「小児には、1サイクル目は21~42日間、2サイクル目以降は28~42日間を1サイクルとし、投与を繰り返す」となる。

小児ALLは小児期に発生する造血器悪性疾患の中で最も高頻度にみられ、2~5歳に発症することが多く、小児10万人あたり年間3~4人が発症し、日本では年間約500人の小児患者が新規に診断されている。なお、海外では23年12月時点で、本剤の小児適応が承認されている国・地域はない。
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