ハーバード大学の研究者等によって実施された調査に対し、医師の5人に１人が昨年一年間に「医療上のミスについて、患者に本当のことをすべては話さなかった」と回答し、全米に衝撃を与えている。（医療ジャーナリスト　西村由美子）

http://vitals.msnbc.msn.com/_news/2012/02/08/10353521-many-docs-tell-white-lies-study-finds

同じ調査で、調査対象となった医師の11％は昨年一年間に「患者（または患者の保護者）に『何かしら本当でないこと』を話した経験がある」と回答し、また調査対象となった医師の34％は「医療上のミスについて、患者にすべて本当のことを話さなければならないとは考えていない」と回答している。

このような調査結果に対し、研究者等は、医療の現場では、 場合によっては「後で間違いだったとわかるかもしれない事実」は急いで患者に話さない方がよい場合もあるとし、医療をめぐる医師—患者のコミュニケーションは複雑で単純には判断しにくいと解説しつつ、今回の調査では、そのような背景となる事情が十分に考慮されていないと説明しながら、しかし、すくなくとも「医師から正確な事実を教えられていない患者」がいることは確かであり、このような状況におかれた患者は間違った情報や不十分な情報のために適切な意思決定が行えないことも危惧されると問題提起している。