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独メルク ジュネーブのメルクセローノ本社を閉鎖へ

公開日時 2012/05/18 04:00

独メルクはこのほど、2007年のメルクによるセローノの買収以降、ドイツとスイスの2か所にあったメルクセローノの本社機能を1つに統合するために、スイス・ジュネーブにあるメルクセローノ本社(旧セローノ本社)の閉鎖を発表した。


メルクは、ジュネーブにおける本社閉鎖を、企業運営の効率化の一環と位置づけ、管理部門や研究開発部門の重複機能をドイツ・ダルムシュタットにあるメルクセローノ・キャンパスに統合、それ以外のジュネーブ本社が持つ研究開発機能をダルムシュタット、ボストン(米国)、北京(中国)に分散移転させる。


メルクのStefan Oschmann取締役(メルクセローノ部門担当)は、「スイスでのメルクセローノ事業に関する、この計画的措置は、激変する市場に対応し国際的競争力を維持し、わが社の長期的な将来を確保するためには必要なこと」と再編の理由を説明したうえで、「残念なことだが、この計画的措置には、従業員削減を伴うジュネーブ本社の閉鎖も含まれている。今後、従業員など関係者と緊密な関係を持ち、起業の支援や再配置など解決策を見出したい」との考えを示した。


メルクでは、現在の1250人の本社従業員のうち、750人を配転、500人を削減する計画。スイス・AubonneおよびCorsier-sur-Veveyにあるバイオテク製品の生産工場は維持する。ただし、工場では約80人の削減を実施する計画。


ジュネーブの現地紙「Tribune de Geneve」は、メルクセローノ本社閉鎖は、雇用を喪失させるばかりでなく、同社が近隣ビルへの電気供給源でもあり、地域経済にとって大きな打撃だと論評している。また、同現地紙「Tribune de Geneve」によると、ジュネーブ市のPierre-Francois Unger経済局長は、「人員削減と本社閉鎖はジュネーブ経済にとって驚天動地の激変だ」と呼んだという。

 

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