エディタV2

転職で転勤のない生活へ
「家族で安心して暮らせる」

Oさん(45歳、男性)

Q:職務経歴を教えてください。


A:大学を卒業後の2000年に外資系製薬企業にMRとして入社しました。17年間活動していましたが、早期退職制度を活用して退職し、40歳の時に調剤薬局を運営する企業の営業職に転職しました。

Q:MR時代はどのような仕事をされていたのですか?

A:名古屋や横浜の支店で大学病院や地域の中核病院を担当していた期間が長かったです。GP担当や若手社員のメンター、支店の学術担当も経験しました。領域は、糖尿病、循環器、感染症など幅広く担当しました。

Q:MR時代を振り返っていかがですか?

A:研究会や講演会に携わることが多く、大きなプレッシャーを感じることもありましたが、やりがいがありました。特に大学病院を担当していた時は、自社が携わっていた研究会や臨床試験について学会で発表されたこともあり、大きな達成感を感じました。振り返ってみると、いい思い出がたくさんあります。
40歳の節目を迎える今がラストチャンスだと思った
Q:やりがいを感じていたMRの仕事を辞めたのはなぜですか?

A:当時、私には小学生の子どもが2人いました。MRである以上、転勤は付き物ですが、本音を言うと、転勤によって親しみがある場所を離れなければいけないことに抵抗がありました。このため、子どもの中学受験を考えたタイミングで転職を考え始めました。当時39歳で、40歳の節目を迎える今がラストチャンスだと思いました。

Q:転職活動はどのように進めましたか?

A:転職サイトには4社ほど登録しました。自分の経歴が活かせそうな職種を絞り込んだうえで、企業の口コミサイトなども参考にしながら、エントリーする企業を決めました。4社ほど面接試験を受けたと思います。

Q:今勤務する企業はどのようにして知りましたか?

A:転職サイトを通じてスカウトがあり、面接を受けて採用が決まりました。調剤薬局を運営する企業で、新しい店舗の立ち上げに関わる営業職としての採用でした。

Q:家族の反応はいかがでしたか?

A:家族には内定を頂いてから打ち明けました。「年収は少し下がるけど、家族一緒にずっと同じ場所で住むことができるし、子供たちの教育も落ち着いて考えることができるけど、どう思う?」と尋ねると、「すごく嬉しい。そういう生活を待っていた」という答えが返ってきて安堵しました。
MR時代に培ったドクターとの折衝能力を活かす
Q:今の仕事にはMR時代の経験を活かせていますか?

A:はい。新店舗の立ち上げの際には近隣の医療機関との連携が不可欠です。MR時代に培ったドクターとの折衝能力が活かせたと思います。その後、グループ内の医療情報誌を扱う企業に異動しましたが、医学・薬学の知識や書類作成やプレゼンテーション能力なども活かせていると思います。MR時代から、顧客のオファーに素早く対応し、丁寧にレスポンスをすることを心がけてきました。こうした信頼関係の構築の仕方は、MR時代から変わらずずっと意識しています。

Q:自身にこうしたスキルがあるということはMR時代から意識していましたか?


A:それほど意識したことはありませんでした。転職を決意し、自分をアピールしなければいけないというタイミングで、キャリアを振り返りました。全く自分を知らない人に対して、どのように自分を売り込めばいいのか考えました。
なので、いま転職する気がなかったとしても、転職サイトに登録し、定期的にスキルや経歴について振り返っておくことは必要だと思います。

Q:今の仕事にやりがいを感じていますか?


A:はい。薬局の新店舗立ち上げの時は、患者さんから「すごくいいね」、「前から近辺に薬局がなくて困っていたので助かった」という声を頂き、喜びを感じました。また、連携するクリニックの医師に感謝されることもあり、励みになりました。
現在は、医療情報誌の発刊に関わる業務をしており、読者からのハガキがたくさん届きます。雑誌の発刊については予算が厳しい面もあるのですが、読者の声が心の支えになっています。

Q:MR時代と今の仕事を比較していかがですか?

A:私の場合、大規模の会社から中規模の会社への転職となりました。不安はもちろんありましたし、製薬企業にいた時と比べると、組織や仕事の進め方に疑問を感じることもたまにあります。しかし振り返ってみると、製薬企業にいた時は、看板(企業名)に甘えてしまっているところがあったと思います。いまの企業は、「自分がぐいぐい引っ張っていかなきゃいけない。色々作り直して立て直していかないといけない」という使命感に駆られて、いろんなことを自分事に感じるようになりました。これが転職して良かったと感じる1つの大きなポイントだと思います。全然甘えることを許されない、全部自分が主導的に推進していかないといけないことについて、大きなやりがいを感じています。
 MRの仕事にやりがいを感じていればいるほど、転職した先でもやりがいを感じることができるかどうかについて不安になるのは当然だと思います。ただ、毎日コツコツ今までやってきたように、目の前のことに全力で取り組んでいると、必ずそれを見てくれている人がいると思います。私の場合、そこから信頼関係の輪が繋がっていって、いろんな仕事を任せてもらったり、得意先やエンドユーザーに評価していただけたりして、やりがいを感じるようになりました。
  MR時代から「毎日真面目にコツコツやってれば、必ずいい結果がついてくる」と信じて仕事をしてきました。この思いは今も変わりません。
転職して「よかった」と言い切れる
Q:転職してよかったですか?

A:「よかった」と言い切れます。いい経験をしました。

Q:現在、転職を迷っている人にメッセージをお願いします。

A:転職は1つの大きな選択肢です。転職しなかったとしても、自分を律して、キャリアやこれまでの行動を整理し続ければ、どんなボールが飛んできても打てる社会人になれると思います。

【取材を終えて…】
家族との生活のため、やりがいを感じていたMRの仕事を辞めたOさん。取材中、終始前向きな発言をされていた姿が印象的で、どの職場であってもやりがいを見つけることができる方だと感じました。そんなOさんは、転職をしなかったとしても、定期的に自身のキャリアを振り返り、スキルの棚卸をしておくことを勧めています。「結果的に転職をしなかったとしても、キャリアや行動について整理整頓していれば、どんな困難にも対応できる社会人になれる」。力強く言い切る姿が印象的でした。


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