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【日本高血圧学会リポート】健診時に重症高血圧患者でも約4割は未受診

公開日時 2010/10/19 06:00

近年、ライフスタイルの変化などにより一時は減少していた高血圧患者は増加傾向にある一方、健診時に重症高血圧患者であっても約4割がその後も未受診であることが明らかになった。大阪府立健康科学センターの北村明彦氏らが大阪府の職域健診や大阪府の特定健診受診者のデータから報告した。


北村氏らは大阪の4企業で1977年から行っている延べ5万7532人の男性の健診データから、77年当時には40~49歳で約25%、50~59歳で約40%に高血圧が確認され、この割合は次第に減少し、90年には40~49歳で約15%、50~59歳で30%弱まで減少していたものの、その後は増加に転じ、08年には40~49歳で約30%、50~59歳で50%弱にまで上昇しており、この傾向はBMI=25を基準とした肥満の有無で分類しても、肥満のある群とない群ともに高血圧患者増加が認められ、2001~2009年度までの9年間を3年度刻みで網膜細動脈硬化の発現頻度を観察すると、01~03年度に比して、04~06年度、07~09年度では有意(p<0.001)に発現頻度が増加していることもわかった。


また、北村氏は同じ4企業での健診者から聴取した生活習慣では、2002年から2008年までに「睡眠時間6時間未満」、「夕食後1~2時間以内に就寝」、「脂身の多い肉類を週3日以上食べる」と回答した人の割合が有意(p<0.001)に増加し、逆に「魚介類を週3日以上食べる」と回答した人の割合が有意(p<0.001)に減少しているというライフスタイルの変化を報告。


さらに09年度の大阪府の特定健診受診者42万9617人の血圧値分布では、血圧値が140/90mmHgを超えていた人の割合は男性35.1%、女性27.9%であり、このうち降圧薬服用者13万2997人での血圧値140/90mmHg超の割合は男性46.2%、女性43.5%であり、降圧薬服用にもかかわらず、必ずしも血圧が良好にコントロールされていない実態が明らかになった。


また09年10月末までの健診受診者で健診時に降圧薬を服用していなかった血圧値200/110mmHg以上の重症高血圧者447人の2010年1月までのレセプト調査では、このうちの39%に当たる176人が医療機関を受診していなかった。北村氏は「高血圧の管理・于防を中心とした対策の全国的推進は益々重要である」と警鐘を鳴らした。
 

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