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第一三共 米・Plexxikon社を買収 がん領域を強化

公開日時 2011/03/02 04:00

第一三共は3月1日、米・Plexxikon社(本社:米国カルフォルニア州バークレー)を買収したことを発表し、同日記者会見を開いた。同社の中長期的な目標の1つであるがん領域のパイプライン強化が狙い。両社は、全株式の取得で合意し、買収完了時に第一三共は、8億500万ドルを支払うほか、悪性黒色腫(メラノーマ)の適応取得を目指すPLX4032の上市時にはマイルストーンとして最大1億3000万ドルを支払う。全額自己資金で賄うとしている。これにより、第一三共は日欧、インドに加え、米国でも研究開発体制を整備した格好だ。


Plexxikon社は、2001年に設立し、がん領域を中心に、炎症、心腎疾患、中枢神経に開発品を持つ。従業員数は約45人だが、優れた創薬プラットフォームを持つ。主要開発品としては、ロシュ社との共同開発を進め、すでにフェーズ3の “PLX4032”のほか、PLX3397(目標適応症:転移性乳がん、フェーズ1)、PLX5622(関節リウマチ、フェーズ1)がある。


◎キナーゼ阻害剤PLX4032 メラノーマでのファーストライン適応取得目指す


中でも注目されるのが、キナーゼ阻害剤のPLX4032。目標適応症は、「BRAFの遺伝子に変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)」で、ファーストラインの適応取得を目指す。


悪性黒色腫は、白人で罹患率が高く、患者数が増加しているがん。一方で、5年生存率は約15%と予後が悪いことが知られている。患者数は米国で7万人、全世界には16万人いると推計され、このうち、遺伝子変異のある患者はメラノーマ全体の半数に当たるとされている。


すでに2011年1月には同剤のフェーズ3データの中間解析結果が報告され、主要評価項目を達成していることが報告されており、2011年中に欧米での販売承認申請を行う予定だ。


米国でのコ・プロモーション権は同社の米国子会社である第一三共INC.(本社:ニュージャージー州)が取得し、承認取得後は米・ジェネンテック社との共同販促を行うとしている。そのほか、同剤は結腸直腸がんの適応を目指した臨床試験も進行中で、現在フェーズ1を実施している。


◎中山社長「トータルでの高い創薬力が最大の魅力」


同日の記者会見で第一三共代表取締役社長の中山譲治氏は、「トータルでの高い創薬力が最大の魅力」とPlexxikon社を評価。同社の持つ創薬力とすでにある拠点を活かし、研究開発のさらなる活発化を促したい考えを示した。一方で、開発品の導入やM&Aによる外部資源の取り組みについて、今後も視野に入れていく考えも示した。

 

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