医療用医薬品卸売業公正取引協議会（卸公取協）は５月24日、通常総会を開き、公競規違反に対し積極的に措置する方針を示した。４月に公競規運用基準で、医療機関に提供が制限されている労務提供や医療施設間の医薬品の無償配送などを明文化したことを受けたもの。地域によって内容の周知の状況に差があるとして、迅速な周知により違反の未然防止を呼びかけた。

卸公取協は、卸が医療機関・薬局にしてはならないこととして、「本来医療機関等が宅配業者に依頼して有償で配送を行うべき書類・物品を代わりに無償配送すること、もしくは、医療用医薬品の納品と何ら関連性を有しない書類（雑誌等）・物品（弁当、雑貨等）を無償配送すること」と定めた。さらに「その他医療用医薬品の取引を不当に誘引する便益労務の無償提供」と明記した。

卸公取協は、違反事例に対しては手続きを明確にし、迅速に対応する。違反行為の正確な事実究明を図るとともに、違反事例に対しは適正な措置をすると、19年度事業計画に盛り込んだ。ただし、社内自主点検で違反行為を確認後、▽違反行為を中止、再発防止策を講じた▽対象医療機関に、今後同様の行為を行わない旨を伝達した――場合においては、「自主改善報告」として規約違反措置を取らないことにした。