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19年6月後発品収載 10社参入の抗精神病薬ロナセン薬価は先発の41% バイオセイムも

公開日時 2019/06/14 03:52
厚労省は6月13日、後発医薬品など86成分264品目の薬価基準追補収載を官報告示し、きょう14日付けで収載した。多くの後発品が14日に製薬各社から発売される。初めて登場する後発品は5成分48品目で、このうち統合失調症治療薬ロナセンには10社32品目が参入する。ロナセン後発品はオーソライズド・ジェネリック(AG)と通常の後発品(GE)が14日に揃って発売予定。汎用規格の4mg錠の後発品薬価は57円で、対先発品薬価の41%となる。初のバイオ医薬品のAGとなる腎性貧血治療薬ネスプのバイオセイムもあり、7~9月に発売を予定する。

文末の関連ファイルに19年6月追補収載の資料を掲載しました。今回初めて収載された後発品の一覧表などをまとめました(6月14日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。

今回収載された初後発品の内訳は、内用薬1成分32品目、注射薬2成分11品目、外用薬2成分5品目――となる。

■ネスプAGの薬価、対先発の66% ナゾネックス後発品の薬価は42%

後発品薬価は基本的に先発品薬価の0.5掛け(=50%)で算定される。ただ、内用薬について、組成、剤形区分、規格が同一の後発品の銘柄数が10を超えた場合は0.4掛け(=40%)となる。バイオシミラーや
バイオ医薬品のAG(いわゆる、バイオセイム)は0.7掛け(=70%)となる。また、先発品に新薬創出等加算が適用されている場合は、先発品薬価からこれまでの新薬創出等加算分を差し引いた上で0.5掛け、0.4掛け、0.7掛けする。

初めて収載された後発品のうち、今回は0.4掛けの対象品目はない。初後発品は▽ロナセン▽ネスプ▽がん性疼痛治療用注射薬オキファスト▽アレルギー性鼻炎治療薬ナゾネックス▽緑内障・高眼圧症治療薬デュオトラバ――に登場、デュオトラバを除く4剤の先発品は新薬創出等加算が適用されている。

そこで、汎用規格の後発品薬価を見てみると、ロナセン4mg錠は後発品57円、先発品140.7円で、後発品薬価は対先発の41%。バイオ医薬品のネスプ注射用20μgプラシリンジは後発品2727円、先発品4162円で、後発品薬価は対先発の66%となる。オキファスト注10mgは後発品164円、先発品348円で、対先発の47%。ナゾネックス点鼻液50μg56噴霧用は後発品746.1円、先発品1791.6円で、対先発の42%となる。

■6製品でAG登場

今回追補収載された後発品のうち、AGは少なくともロナセン、ネスプ、ナゾネックス、前立腺がん治療薬カソデックス、閉経後乳がん治療薬アリミデックス、乳がん治療薬ノルバデックスに登場する。

ロナセンAGは、先発品を手掛ける大日本住友製薬の連結子会社DSファーマプロモが製造販売元で、販売元は大日本住友。DSファーマプロモが製造販売し、大日本住友がDSファーマプロモからの委託を受け、両者連携して情報活動する。両社は13日、AGを14日に発売すると発表した。

ネスプAGは、先発品を手掛ける協和発酵キリン100%子会社の協和キリンフロンティアが製造販売元で、協和キリンとともに情報提供活動を行う。協和キリンは本誌取材に、AGを7~9月に発売する予定と説明した。ネスプの後発品は、このAGのみとなる。

ナゾネックスAGは、先発品を日本で独占販売しているキョーリン製薬グループのGE子会社のキョーリンリメディオが製造販売元。17年8月にAGの承認を取得していたが、「戦略的に発売時期を探っていた」(キョーリン製薬HD広報部)という。19年6月追補で東興薬品工業のGEが参入することから、キョーリン製薬グループもAGの薬価収載手続きを進めたようだ。AGの発売時期は現時点では明らかにしていない。

カソデックス、アリミデックス、ノルバデックスのAGは、第一三共エスファが14日に発売する。先発品を扱う英アストラゼネカとの合意に基づくもの。

■シムビコートGEは収載見送り 「安定供給体制確保のため」

第一三共エスファが今年3月、排尿障害改善薬ユリーフのAGを発売したが、6月追補ではGEも登場する。GEは16社46品目が参入する。汎用規格の4mg錠のGE薬価は28.0円、先発品は新薬創出等加算品目のため、GE薬価は対先発の39%となった。なお、4mg錠のAG薬価は35.0円のままとなる。

このほか、19年2月の後発品承認では、喘息・COPD治療薬シムビコートのGEも承認されていたが、今回、薬価収載を見送った。シムビコートGEは日本ジェネリック、東亜薬品、ニプロの3社が承認を取得した。このうち日本ジェネリックとニプロは本誌取材に、今回収載手続きを見送った理由について、「安定供給体制確保のため」と説明した。次回12月追補収載に向けた手続きを行うかどうかでは、ニプロは「未定」とコメントした。

【初めて後発品が収載された5成分は以下のとおり(カッコ内は先発品名と先発品企業)】

▽ブロナンセリン(ロナセン散、同錠、大日本住友製薬)
収載10社32品目。
精神神経用剤(117)

▽ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)(ネスプ注射液、協和発酵キリン)
収載1社9品目
他に分類されない代謝性医薬品(399)

▽オキシコドン塩酸塩水和物(オキファスト注、塩野義製薬)
収載1社2品目
あへんアルカロイド系麻薬(811)

▽モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(ナゾネックス点鼻液、MSD)
収載2社4品目
耳鼻科用剤(132)

▽トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩(デュオトラバ配合点眼液、ノバルティスファーマ)
収載1社1品目
眼科用剤(131)
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