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日本医療機能評価機構 徐放性製剤の粉砕投与で「血圧低下」 注意呼びかけ

公開日時 2020/01/16 04:50
日本医療機能評価機構は、徐放性製剤を粉砕して投与したことで体内に有効成分が急速に吸収され、患者に影響があった事例が2014年1月1日~19年11月30日までに4件報告されたとして、医療従事者に注意を呼びかけている。いずれも経鼻栄養チューブや腸瘻カテーテルから粉砕した薬剤を投与したもの。同機構はこの事例を「医療安全情報 No.158」にまとめた。

徐放性製剤が粉砕投与されたのは、持続性Ca拮抗薬ニフェジピンCR錠、経口プロスタサイクリン誘導体徐放性製剤ケアロードLA錠、持続性がん疼痛治療薬オキシコンチン錠――の3剤で、ニフェジピンCR錠では2件報告された。患者への影響は、ニフェジピンCR錠とケアロードLA錠はともに「血圧低下」、オキシコンチン錠では「意識レベルの低下」と「呼吸状態の悪化」に至った。

■1時間後、血圧が80mmHg台に

医療安全情報では2事例を紹介している。ひとつは、研修医が、患者が経鼻栄養チューブを挿入していることを知らずにニフェジピンCR錠20mgを処方し、看護師は薬剤部より届いた同CR錠を粉砕して経鼻栄養チューブから投与した。1時間後、血圧が80mmHg台に低下した。病棟薬剤師が患者の急激な血圧低下の原因を調べ、粉砕投与に気づいた。

もうひとつは、肺高血圧症に対してケアロードLA錠を内服していた患者が入院後、気管挿管され、経鼻栄養チューブが挿入された。看護師は同LA錠を粉砕して経鼻栄養チューブから連日投与していたところ、毎回、投与後に血圧が低下した。同LA錠の添付文書を確認したところ、徐放性製剤であり、粉砕して投与したことにより急激な血圧低下をきたしたことに気づいた。

事例が発生した医療機関では、▽徐放性製剤は、有効成分の放出が調節された製剤であり、粉砕してはいけないことを理解する▽処方されていた錠剤を病棟で初めて粉砕する際は、粉砕して良いかを薬剤師に問い合わせるか、添付文書で確認する――といった取り組みを行っているという。同機構は、「自施設に合った取り組みを検討してほしい」と呼びかけている。
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