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第一三共 抗TROP2抗体薬物複合体「DS-1062」 AZとグローバル開発・販売提携契約締結

公開日時 2020/07/28 04:50
第一三共は7月27日、抗TROP2抗体薬物複合体のDS-1062(開発コード)について、アストラゼネカ(AZ)とグローバルな開発及び商業化に関する契約を締結したと発表した。第一三共が独占的権利を持つ日本を除く国・地域で、同剤の単剤療法及び併用療法を共同で開発し、商業化する。第一三共は、全ての開発及び販売マイルストンが達成された場合、最大で総額60億米ドルを受け取る。

契約に基づき、DS-1062の全世界(日本を除く)における利益と、開発・販売などの費用は両社で折半する。売上収益は日本、米国、第一三共が拠点を置く欧州などの地域の複数国は第一三共に計上し、中国、オーストラリア、カナダ、ロシア、その他地域はAZに計上する。

第一三共はAZから契約一時金として、契約締結時に3.5億ドル、その1年後に3.25億ドル、2年後に3.25億ドルの計10億ドルを受け取る。また、開発マイルストンの達成により最大10億ドル、販売マイルストンの達成により最大40億ドルを受け取る。

■「DS-1062をより早く、より多くの患者さんに届けることが可能になる」

第一三共の眞鍋淳社長兼CEOは、「がん領域のグローバル事業に豊富な経験と高い専門性を持つアストラゼネカとの戦略的提携により、DS-1062をより早く、より多くのがん患者さんに届けることが可能になる」とコメント。DS-1062は「肺がんや乳がんなど様々ながん種でベスト・イン・クラスになる可能性がある」との認識も示した。

AZのパスカル・ソリオCEOは、「この抗体薬物複合体は、肺がんだけでなく、TROP2を発現している乳がんやその他のがんにも大きな可能性を秘めている」とし、「今回の第一三共との新たな提携と、エンハーツの上市成功を通じて、がん領域におけるパイプラインとリーダーシップを更に拡大することができる」とコメントした。

第一三共は抗体薬物複合体(ADC)に関するAZとの提携契約を抗HER2抗体薬物複合体・トラスツズマブ デルクステカン(国内製品名:エンハーツ)で締結しており、今回のDS-1062は2剤目となる。

ADCは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤のこと。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める。

DS-1062は、がん細胞の細胞膜上に高発現する抗原TROP2と特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体と薬物(ペイロード)をリンカーを介して結合したADC。ペイロードは強力な薬効を示すトポイソメラーゼI阻害薬で、膜透過性を有するとの特性により周辺のがん細胞をも殺傷する。現在、手術不能で進行・転移性の非小細胞肺がんとトリプルネガティブ乳がんを対象としたフェーズ1を日米で実施している。
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