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薬食審・第一部会 サリドマイドの「クロウ・深瀬症候群」の効能追加、承認了承

公開日時 2021/01/28 04:50
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は1月27日、免疫調節薬サレドカプセル(一般名:サリドマイド、申請企業:藤本製薬)に希少疾患の「クロウ・深瀬(POEMS)症候群」の効能を追加することを審議し、承認することを了承した。既承認の多発性骨髄腫などの効能と同様にクロウ・深瀬症候群も、「サリドマイド製剤安全管理手順」に則り、流通管理の上、用いることになる。正式承認されれば、クロウ・深瀬症候群に対する世界初の治療薬となる。

この日は報告品目も1剤で、外用合成副腎皮質ホルモン剤コムクロシャンプー(同クロベタゾールプロピオン酸エステル、マルホ)に「頭部の湿疹・皮膚炎」の効能を追加することが部会に報告された。頭部に生じる湿疹・皮膚炎には脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎などがある。正式承認後、コムクロはこれらの皮膚炎に使用できるようになる。頭部の湿疹・皮膚炎に対する外用ステロイドに軟膏などがあるが、シャンプー製剤はコムクロが初となる。

両剤とも正式承認は2月中とみられる。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
サレドカプセル25、同50、同100(サリドマイド、藤本製薬):「クロウ・深瀬(POEMS)症候群」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。承認条件として、「サリドマイド製剤安全管理手順」を順守することがついた。

免疫調節薬。現在は再発又は難治性の多発性骨髄腫と、らい性結節性紅斑に使える。

クロウ・深瀬症候群は多発性骨髄腫の類縁疾患で、多発ニューロパチー、臓器腫大、内分泌異常、浮腫などの特異な臨床症状を呈する全身性疾患。疾患の進行により神経障害、呼吸不全、腎不全などが出現し、その予後は不良なことが知られている。病態機序は完全には解明されていないが、形質細胞の増殖と関連してVEGFの過剰産生が病態の発症に関与していると考えられている。サレドは血管新生抑制や細胞増殖抑制などの抗腫瘍効果に加え、VEGF産生抑制作用があるとされる。国内患者数は392人、有病率は推定10万人あたり0.3人。

海外及び日本でクロウ・深瀬症候群の効能で承認された薬剤はない。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

コムクロシャンプー0.05%(クロベタゾールプロピオン酸エステル、マルホ):「頭部の湿疹・皮膚炎」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(2021年3月29日まで)。

Strongestクラスのステロイド外用剤で初のシャンプー製剤。今回追加する頭部の湿疹・皮膚炎には▽脂漏性皮膚炎▽アトピー性皮膚炎▽接触皮膚炎――などがあり、同剤はいずれの皮膚炎にも使えるようになる。既承認の頭部の尋常性乾癬と同様、頭部の湿疹・皮膚炎に対しても、1日1回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水又は湯で泡立て、洗い流して使用する。

頭部の湿疹・皮膚炎には主にステロイド外用剤が使用されるが、既承認の軟膏やクリーム剤を毛髪に塗布することは困難で、使用感の悪さも指摘されていた。シャンプー製剤によって使用感の悪さなどを改善し、洗い流して使用することで頭部へのステロイドの長時間接触を避けることも可能となる。

海外では、頭部の脂漏性皮膚炎の適応で17年5月にブラジルで承認済み。頭部の乾癬の適応では米国や欧州など60以上の国・地域で承認されている。
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