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優れているMR調査 第一三共が首位奪還も票数減 大塚製薬は精神科医の4割超の支持獲得

公開日時 2022/02/01 04:53
ミクス編集部が行った医師調査2022年版で「優れているMRが所属する企業」の1位は第一三共となった。医師700人のうち同社は88票を獲得したが、前年から11票減らした。2位は前年1位の武田薬品。得票数は85票で、前年から21票の大幅減となったことが首位交代につながった。武田薬品はプライマリー領域の活動を効率化しつつ、スペシャリティ製品への注力を高める方針を明らかにしており、実際、一般内科で9票減らした。ビジネスモデルの再構築が今回の結果に表れたとみられる。一方で、3位の大塚製薬は精神科で、4位のマルホは皮膚科で存在感を見せた。大塚製薬はHP市場の「優れているMR」で初の首位にも立った。特定疾患に強い企業ほど、コロナ禍で困難となった医師のアポイント取得を有利に運び、結果、医師の満足度向上と評価につなげた可能性もありそうだ。

文末の「関連ファイル」に、「優れているMRが所属する企業」として1票以上獲得した企業を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。また、「一緒に読みたい関連トピックス」にGP編、HP編、診療科別編、リモート面談が評価できる企業などのページのリンクを掲載しました(会員向けコンテンツ)。

この調査は、ミクス編集部がエムスリーの協力を得て行った「医師が求めるMR調査2022年版」によるもの。調査対象はm3.com登録医師のうち一般内科、循環器、消化器、呼吸器、精神科(心療内科含む)、整形外科、皮膚科の各科の医師計700人(各診療科100人、GP/HP各50人)。今回初めて皮膚科を加えた。調査期間は21年12月24日~22年1月3日。方法はインターネット調査。

◎武田薬品 ビジネスモデル再構築が反映か

総合的にみて「この製薬企業のMRは優れていると評価できる企業」を最大3社、自由記載で挙げてもらい、集計した。これまでの1位は、前年(21年)は武田薬品、20年は第一三共、19年は武田薬品、18年までの3年間は第一三共だった。第一三共が今回、再び首位に立ち、2強状態が続いているともいえるが、今回皮膚科の100人を調査対象に加えたにもかかわらず、両社とも得票数を大きく減らした。

第一三共はGPで48票、HPで40票を獲得したが、前年からそれぞれ2票減、9票減となった。発売から10年を迎えた主力の抗凝固薬リクシアナの活動に関する評価コメントが前年に引き続き減った。コロナ禍の中で、リクシアナのように処方経験が蓄積された製品ではコロナ以前ほどの活動インパクトを残せないのかもしれない。また、がん領域へのリソース配分を厚くしていることも今回の結果に影響した可能性がある。

武田薬品はGPで41票、HPで44票獲得したが、前年からそれぞれ10票減、11票減となった。前年までは糖尿病薬や降圧剤を含む多岐にわたる製品に評価コメントが寄せられたが、今回は抗潰瘍薬タケキャブぐらいでしかみられなかった。アンメットメディカルニーズの高い領域への貢献を高めるとして、ビジネスモデルを再構築していることが反映したとみられる。

◎大塚製薬 精神科で票数伸ばす

これまでは第一三共と武田薬品の2社の得票数が3位以下を大きく引き離していたが、今回は3位の大塚製薬が2位に7票差まで迫った。

大塚製薬は前年から8票増の78票を獲得した。内訳はGPで29票、HPで49票。HP市場では、前年まで3年連続1位の武田薬品を抑えて、初めて1位に立った。

大塚製薬は全得票数の過半数の42票を精神科で得た。今回、精神科で6票伸ばした。精神科医100人による優れているMRランキングで6年連続1位となったほか、同科医師による▽第一想起企業(最大3社挙げてもらった時に1番目に想起した企業)、▽リモート面談評価企業――でも1位で、コロナ禍の中でも存在感を発揮した。

◎マルホ 皮膚科医の5割超の支持獲得

全体4位のマルホも大塚製薬と似たような評価を得ていた。マルホは57票を獲得し、このうち55票は皮膚科からだった。皮膚科医100人の過半数から評価を得たことにもなる。ちなみに皮膚科医35人が同社を第一想起したが、これは断トツの1位。同科医師によるリモート面談評価企業でもサノフィと並ぶ1位タイだった。新薬のみならず、長く使用されているヒルドイドの活動にも評価コメントがあり、皮膚科での圧倒的な強さと、コロナ禍にあっても医師にアプローチできる状況が垣間見えた。

◎“専門性”や“企業ブランド”重視の傾向も

大塚製薬やマルホの得票状況から、例えば「〇〇科の疾患だったら〇〇会社」というように特定領域に強みのある製薬企業への信頼感、いわゆる企業ブランドをフィルターに医師たちも情報収集の機会を選別しているのかもしれない。情報提供の場が限られている中で医師に「聞く耳をもってもらう」ためには、もはやMR個人の才覚や努力だけではなく、各企業の戦略などと深くリンクしてくる。コロナ前の世界に回帰することがないとすれば、専門性や企業ブランドを重視する傾向が今後も続く可能性がある。

◎診療科別1位 呼吸器科はAZ、整形外科は旭化成ファーマ

なお、優れているMRの診療科別の1位は、一般内科は第一三共15票(前年から4票減)、循環器科も第一三共29票(同7票減)、消化器科は武田薬品26票(同6票減)、呼吸器科はアストラゼネカ35票(前年と変わらず)、整形外科は旭化成ファーマ27票(同3票増)、精神科・心療内科は大塚製薬42票(同6票増)、皮膚科はマルホ55票――だった。
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