エルデカルシトールカプセル0.5μg、0.75μgの後発品をめぐり中外製薬が沢井製薬と日医工の2社を相手取って争っていた特許権侵害訴訟で、知的財産高等裁判所は12月13日、中外製薬の控訴を棄却する判決を言い渡した。中外製薬が22年6月9日に知的財産高等裁判所に控訴していたもの。中外製薬は「判決の内容を踏まえた上で、今後の対応を検討してまいります」とコメントした。

同訴訟は、20年2月17日に沢井製薬と日医工が当該後発品の製造販売承認を取得したことを受け、中外製薬側が「前腕部骨折を抑制するための医薬組成物としての用途特許第 5969161 号を侵害している」として東京地裁に提起。当該後発品の生産、輸入、譲渡、譲渡の申し出の差止め、廃棄を求めた。しかし、東京地裁は5月27日付で中外製薬側の請求を棄却する判決を下し、これを不服とした中外製薬が6月に知的財産高等裁判所に控訴していた。

◎沢井製薬「製造販売の継続に何ら問題なし」　日医工「知財権尊重と安定供給に努める」

今回の判決を受けて沢井製薬はコメントを発表。「当社による本製品の製造販売の継続に何ら問題が生じることはない。今後も、知的財産権を尊重したうえで、患者さんならびに医療関係者の方々が安心して本製品をご使用いただけるように取り組んでまいります」と強調した。一方、日医工は、「今後も知的財産権の尊重とエルデカルシトールカプセル 0.5µg、0.75µg「日医工」の安定供給に努めつつ、ジェネリック医薬品の普及のため、患者さまや医療関係者の皆さまが安心して使用いただけるよう取り組んでまいります」とコメントした。