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NBIと日本イーライリリー ジャディアンスのCKD適応追加を一変申請

公開日時 2023/02/01 04:48
日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)と日本イーライリリーは1月31日、SGLT2阻害薬・ジャディアンス錠10mg(一般名:エンパグリフロジン)について、慢性腎臓病(CKD)に係る適応追加を一変申請したと発表した。NBIによると、2型糖尿病の合併有無によらない形でのCKD適応の取得を目指す。

競合するSGLT2阻害薬の中で、CKDに係る適応を持つ薬剤は2剤ある。ひとつはフォシーガで、効能・効果は「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」。もう1剤はカナグルで、効能・効果は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」となっている。

NBIによると、ジャディアンスはフォシーガに近い形でのCKD適応の取得を目指すが、フォシーガにある「ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く」とのしばりがジャディアンスにも付くかどうかについて、「当局と協議する」と説明した。

◎標準治療+ジャディアンス CKDの進行または心血管死のリスク プラセボに比べ28%低下

ジャディアンスの今回の適応追加申請は、EMPA-KIDNEY第3相臨床試験の結果に基づく。同試験は国際無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験で、CKDの診断が確立した6609人の成人患者が糖尿病の有無やアルブミン尿の有無を問わず参加した。標準治療に加えて、エンパグリフロジン10mgまたはプラセボの投与を受けた。

主要評価項目は、心血管死または腎臓病の進行[末期腎不全(透析や腎移植などの腎代替療法が必要とされる状態)、eGFRが10mL/min/1.73m2未満で持続する状態、腎死、またはeGFRの無作為化時点からの低下率が40%以上で持続する状態のいずれか]のいずれかが生じるまでの期間とした。

その結果、エンパグリフロジンの投与により、CKDの進行または心血管死のリスクがプラセボ投与群に比べ28%低下し、有意差が認められた(HR; 0.72; 95%CI 0.64 to 0.82; P<0.000001)。また、CKDを対象としたSGLT2阻害薬の臨床試験としては初めて、試験計画書で事前規定された主な検証的副次評価項目の1つであるすべての入院を有意に14%減少した試験にもなった(HR; 0.86; 95%CI 0.78 to 0.95; p=0.0025)としている。

両社は、「慢性腎臓病は患者さんの入院リスクが倍増する世界の死因の上位にある疾患」だと指摘した上で、「今回の適応追加申請が承認された際には、CKDの治療選択肢が広がり、CKDに苦しんでいる患者さんに寄与できるものと考えている」とコメントしている。

CKDは腎障害を示す所見や腎機能の低下が慢性的に持続する疾患。CKDは死亡や心筋梗塞、脳卒中、心不全などの心血管疾患のリスクファクターで、進行すると末期腎不全に至り、透析療法や腎移植術が必要となる。CKDの治療目的は、腎機能の低下を抑え末期腎不全への進行を遅らせること、および心血管疾患の発症を予防することになる。
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