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独BI 23年の医療用薬事業10%増収 ジャディアンスは74億ユーロ、31%増 研開比率25%と積極投資

公開日時 2024/04/17 04:52
独ベーリンガーインゲルハイム(BI)は4月16日、2023年のグローバルの医療用医薬品事業の売上高が前年比6.6%増の208億ユーロだったと発表した。為替影響調整後では10.3%の増収となる。全世界でジャディアンスやオフェブが好調で、ジャディアンスは配合剤を含めて売上74億ユーロ(為替影響調整後で前年比31.0%増)、オフェブは売上35億ユーロ(同12.8%増)とし、医療用薬事業をけん引した。日本の医療用薬売上は12億7900万ユーロだった。対ユーロで大幅な円安となったため前年比3.8%の減収となったが、為替影響調整後では5.9%の増収となる。

◎バウムバッハ会長 「様々な新しい治療法の開発を加速」 心腎代謝疾患などで進展

同社のフベルトゥス・フォン・バウムバッハ取締役会会長は同日に開いた決算会見で、23年のグローバルの医療用薬事業の成長率は「市場の成長率を上回った」と話すとともに、「ビジネスの成長は我々の医薬品が多くの患者さんにリーチできたということだ」と胸を張った。心腎代謝疾患、オンコロジー、呼吸器疾患、免疫疾患、メンタルヘルス、網膜疾患領域に重点を置く研究開発に関しても、「当社のパイプラインは、それぞれの疾患領域においてバランスよく、順調に進展していることを喜ばしく思う。様々な新しい治療法の開発を加速させ、最良かつ最速の方法で患者さんにお届けすることを決意している」と述べた。

特に開発後期段階のポートフォリオが含まれるオンコロジー、心腎代謝疾患、メンタルヘルス領域で大きな進展があったとし、このうちMASH(旧名称:NASH)による肝疾患や肥満症を対象疾患とするグルカゴン受容体/GLP-1受容体デュアルアゴニストのSurvodutideは早ければ27年の承認取得を目指していることが明らかになった。また、30年までに25の新規化合物の上市を目指す方針も示された。

◎研究開発費は52億ユーロ、対売上の25% 開発品の70%はファースト・イン・クラス

23年の医療用薬事業における研究開発費は52億ユーロ(前年46億ユーロ)で、医療用薬事業の売上の25.1%(前年23.5%)を占めた。開発パイプラインには60のアセットに90の適応症があり、この70%はファースト・イン・クラスになり得るものだという。AIの活用など新たな機会を得るための研究開発におけるデジタル技術やIT投資も強化した。

バウムバッハ会長は、「イノベーションを推進することに強くコミットしている」とした上で、「23年は研究開発投資を増やした。結果として患者アウトカムにつながる。これが私たちの長期的なコミットメントだ」と強調した。また世界各国で医療費抑制策が進められていることを念頭に、イノベーションの推進は「ヘルスケアシステムをより公平で良いもの」にするとも指摘した。例えば、イノベイティブな新薬によって入院期間の短縮につながれば医療費全体の抑制につながる、患者の積極的な治療参加によりQOLが改善すれば、結果として社会復帰につながる――との認識を示し、イノベーションを推進してヘルスケアシステムをより良いものにすることも「私たちの使命」だとした。

このほか、BIは23年に、5年間に70億ユーロの設備投資を行う計画を発表した。この計画のもと23年の設備投資額は12億ユーロとなった。同社のミヒャエル・シュメルマー・財務・グループファンクション担当取締役は、「このような投資を続けていく。私たちの製品の供給を支えるために投資する」と説明した。
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