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第一三共・奥澤新社長 グローバルでの急速な事業成長へ「ADCのグローバル開発加速と売上伸長が最優先」

公開日時 2023/02/01 04:51
第一三共は1月31日、記者会見を開き、奥澤宏幸取締役専務執行役員経営企画・管理本部長 CFOが新社長に昇格する人事を発表した。眞鍋淳代表取締役社長兼CEOは代表取締役会長兼CEOに就任する。就任は4月1日付。2025年度を最終年度とする第5期中期経営計画について達成の目途がつき、グローバルで急速に成長する新たなフェーズに入ったとして、新たな体制に移行する。奥澤新社長は、「エンハーツをはじめ、DXd-ADCのグローバル開発加速と売上伸長に最優先で取り組む」と強調した。

◎眞鍋CEO「これまでに経験したことのないレベルでグローバルでの急速な利益拡張拡大期を迎える」

「今後いよいよ、当初はこれまでに経験したことのないレベルでグローバルでの急速な利益拡張拡大期を迎える。第5期中計における25年度目標を確実に達成するため、さらなる経営体制特に執行体制を強化すること目的とし、新たに社長兼COO任命した」-。会見で眞鍋CEOは、新たな体制移行に踏み切った理由をこう語った。第5期中期経営計画(21~25年度)がスタート、2年が過ぎ、「最も重要な柱である3ADCの最大化については、ここまで想定以上の結果が出ている。25年度の係数目標として掲げている売上収益1兆6000億円、がん製品の売上収益6000億円以上は確実に達成できる」と自信をみせた。

21年度からスタートした中期経営計画だが、これまでの「将来の成長のための投資先行期」から新たなフェーズに入るとの見方を示し、新たな体制で急成長に向けてスタートを切る考えを示した。

◎奥澤新社長 「日本以外の世界のマジョリティー市場での製品浸透、開発を一層強化」

新たに社長に就任する奥澤氏は、「いま私達が持っている製品、パイプラインを考えると、エンハーツを筆頭として、グローバル展開が可能な非常に強力な製品ポートフォリオ、パイプラインという認識している」と製品力に自信をみせた。

そのうえで、今後の成長を見据え、「世界の市場は、アメリカがいま全世界の医薬品市場の半分強を占めており、それに続く形でEUさらには中国、そして日本と存在している。市場の比率に応じて、私共の製品の売上、リターンというふうなものが期待できるのではないかと基本的に考えている」としたうえで、「日本以外の、世界のマジョリティー市場ということで、ここにおける製品の浸透、そしてパイプラインの開発を一層強力に進めていきたい」と語った。

「現在の研究開発パイプラインの中からDXd-ADCに続く成長ドライバーを見極めることも重要課題と認識している」と表明。次世代の成長ドライバーとして、新型コロナワクチンを候補にあげた。「長期的な戦略の実行と短期的な業績の向上を両立させ、株主還元も強化する」と述べた。

眞鍋氏も、「オンコロジーについて私達は非常にリッチで、ADCを中心にグローバルでも第一三共ほどのオンコロジーのパイプラインの会社ってあまりないのではないか。そこはそこで粛々と進めていけばいいと思っている」と表明した。一方でスペシャリティ領域などについても、「すべてのメガファーマがどういうニューモダリティで今後成長できるのかと戦っているところなので我々も頑張る。そのなかで必要であればアカデミアやベンチャーからの共同研究など、そういうところからのパイプラインについても入れるべきと思っている」と述べた。

◎「ADCなどのパイプラインが世界中の優秀人材を惹きつける」 パーパスを具現化する企業に

奥澤氏は経営方針として、ESG経営とパーパス経営を推進する考えを表明した。急速な事業成長に向け、「推進力として私が最も大きな期待を寄せているのが、グローバルレベルでの人的資本の充実だ」と強調。「エンハーツをはじめとするDXd-ADCのパイプラインは今世界中の優秀人材を惹きつけている。グローバル共通の人事制度とシステムを整備し、経営戦略と人事戦略を連動させ、グローバルな適所適材を実現する。社員1人1人の多様性を尊重してグローバルな協業を促し、社員が成長し、高いエンゲージメントを持って活躍できる環境を整え、1DSカルチャーの醸成を進める」と述べた。自らがロールモデルとなり、「人的資本が厚みを増しながら当社が名実ともにパーパスを具現化できる企業となり、さらにそのパーパスに共鳴する人材が集まってくる好循環を作り出していけるものと確信している」と自信を見せた。

また、「ペイシェントセントリックマインドセット、患者さん中心の考え方を全社員が共有し、病に苦しむ患者さんの声にしっかり耳を傾け、患者さんが心から待ち望んでいる革新的な治療を提供していくことが我々の最大の使命だ。そのために当社のサイエンス&テクノロジーの強みと統合データ解析基盤やがん領域でのデジタルセラピューティクスなどのDXの強みを最大限に活用するとともに、2030年ビジョンで想定するトータルケアエコシステムの構築にも貢献する」とも述べた。

奥澤氏は、1962年10月31日生まれの60歳。一橋大社会学部卒業。1986年4月に三共に入社。自身のキャリアについて、「これまで経営トップの近くで様々なグローバル経験を積み重ねてきた」と説明。20代から30代にかけてヨーロッパの統括会社があるドイツに延べ8年間駐在し、降圧薬・オルメテックの上市に携わったほか、アジア、中南米事業の責任者を務めるなど、グローバルでの経験が豊富。「社長直下で働く機会に恵まれ、旧第一製薬と旧三共の統合交渉もリードした」という。22年4月から現職の専務執行役員経営企画・管理本部長CFOに就任している。

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