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アンジェス 早老症治療薬・ゾキンヴィを承認申請 使用見込まれる国内患者数は「数名程度」

公開日時 2023/05/17 04:48
アンジェスは5月12日、乳児早老症であるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)とプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)の治療薬・ゾキンヴィ(一般名:ロナファルニブ)について、日本で承認申請したと発表した。同剤は今年3月に厚労省から希少疾病用医薬品に指定されたもの。同剤の使用が見込まれる国内患者数は「数名程度」という。

同剤は、HGPSやプロセシング不全性のPLの小児及び若年成人において、核膜の構造・機能を損なうファルネシル化された変異タンパク質(核の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害するファースト・イン・クラスの疾患修飾薬。米国アイガー社の創製品で、アンジェスは22年5月に、国内における独占販売契約をアイガーと締結した。同剤はHGPS及びプロセシング不全のPLの治療薬として、20年11月に米国、22年7月に欧州連合、同年8月に英国で承認済み。

◎HGPS患者の死亡率を60%減少

小児及び若年成人のHGPS及びプロセッシング不全性のPLにおいてその薬効が検討された結果、HGPS患者では、同剤は死亡率を60%減少し(p=0.0064)、平均生存期間を2.5年延長した(p<0.0001)。多くの患者で「10年以上にわたってゾキンヴィ治療を継続した」としている。最も多く報告された副作用は嘔吐、下痢、悪心で、そのほとんどが軽度又は中等度(グレード1又は2)だった。

HGPS及びPLは、いずれも大変希少な致死性の遺伝的早老症で、若い時点から死亡率が加速度的に上昇する。HGPSは、LMNA遺伝子の点突然変異により、ファルネシル化された変異タンパク質であるプロジェリンが生成されることにより発症する。PLは、LMNAやZMPSTE24遺伝子の変異により、プロジェリンに類似したファルネシル化タンパク質が生成され、老化が促進される。

いずれの病型とも、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症、脱毛症、関節拘縮、骨格形成不全、動脈硬化の促進などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患により若年期に死亡するとされる。HGPSの平均年齢は14.5歳と報告されている。

◎衛生検査所「アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー」で遺伝子検査

なお、アンジェスは21年に開設した衛生検査所「アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)」で、新生児の希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を受託しており、ACRLでHGPS及びPLについて確定のための遺伝子検査を実施できるよう準備を進めている。
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