サンドは6月23日、バイオシミラー品へのアクセスを向上させるグローバルロードマップを公表した。スイスのサンド本社が発表した「Act4Biosimilars」と呼ばれるアクションプランで、2030 年までに日本を含む世界30か国以上でバイオシミラーの採用を少なくとも30％ポイント増加させることを目的とした。バイオシミラーへのアクセスを妨げる最も重要な課題と、その課題を克服しアクセスを向上させるために実行可能な手順を明確にするとしている。

同社によると、バイオシミラーの採用率は同社のイニシアチブ追跡対象国でも14％にとどまり、先行品は依然としてバイオ医薬品全体の86％を占めているという。その背景について同社は、バイオコピーが規制されていないことや、法規制における判断、医療提供モデルにおけるインセンティブに違いがあるなど、各国や地域ごとにバイオシミラーを入手する際の障壁になっていることを指摘した。その上で、今回のアクションプランでは、4As（Approvability、Acceptability、Accessibility、Affordability）にわたってバイオシミラー採用を向上させる 12の主なイニシアチブを紹介している。また、各国のステークホルダーが自国において、バイオシミラーをより受け入れやすい環境を醸成し、最終的にはグローバルな採用を促進するために実行可能な手順を提供するとした。

Laura Wingate上級副社長は、「Act4Biosimilarsは、ステークホルダー主導のイニシアチブとして、先進的な医薬品への患者さんのアクセス向上に情熱をもって取り組んでいる各国のステークホルダーに力を与えることを目的としている。そのような方々にアクションプランを共有し、提供される情報を活用し、バイオシミラー採用を増やす運動に参加するよう呼び掛けている」とコメントした。