ケーエスケーや和歌山県など５者は９月27日、ドローンを用いた長距離医薬品配送と自動配送ロボットを活用したラストワンマイル配送の実証実験を、和歌山県日高川町で10月に実施すると発表した。医薬品を積んだドローンが河川上空を約21キロメートル飛行して診療所近くの敷地に着陸。医療関係者がドローンから医薬品を降ろして自動配送ロボットに積み替え、自動配送ロボットが患者宅まで届ける実証実験を行う。過疎地域での医薬品のラストワンマイル配送の実施可否や顕在的・潜在的な課題を確認・分析する。

この実証実験は、国土交通省によるドローン物流の社会実装に向けた「無人航空機などを活用したラストワンマイル配送実証事業」の公募に採択されたもの。ケーエスケーを代表者とし、日高川町、和歌山県、和歌山県立医科大学、NTTコミュニケーションズの５者で実施する。

実証実験では、空箱に実薬相当の重さの偽薬を入れて運搬する。２～８度の保冷品を運ぶ想定で、当日は保冷剤による温度管理ができるのかも確認する。ドローンや自動配送ロボットの振動によるバイアル瓶などへの影響も分析する。また、ドローンから自動配送ロボットに積み替える際は顔認証システムを用いて行う計画で、この本人認証を通じた確実な医薬品の受け渡しが行えるかも確認する。

ドローンはエアロセンス社のドローン・エアロボウイング（AS-VT01、写真左）を、自動配送ロボットはZMP社のDeliRo（デリロ）を用いる予定。