小野薬品は10月2日、国内外の従業員を対象にグローバル人事制度の運用を開始したと発表した。等級、評価、報酬のそれぞれの制度の考え方およびプロセスをグローバルで統一し、タレントマネジメントをはじめとした人事施策ならびに業務プロセスの標準化を目指す。同時に人財情報システム「Workday HCM」を導入した。従業員の人事関連データを基にした迅速な意思決定を同社の経営戦略に活かす。なお、今回の人事制度の運用開始に伴い2024年度から新報酬制度を導入する。

同社は、米国、欧州（英国）、韓国、台湾に現地法人を置き、グローバルの開発・自販体制の構築に取り組んでいる。今回の人事制度の導入は、海外事業展開の更なる推進に向け、地域を超えたグループ共通の人事評価や組織運営が必須と判断し、国内外の従業員に共通の人事制度を構築することになった。

具体的には、「等級制度」は、従業員個々の職務や責任を明確にし、グローバル共通の基準に沿って等級を決定する。これにより求められる役割・成果と処遇に対する納得感を醸成し、各ポジションに求められる要件を明らかにする。これにより従業員のキャリア自律を促す。一方、「評価制度」については、経営陣を中心に同社の強みや価値観についての議論を重ね、グローバル共通のコンピテンシーを策定した。併せて、評価項目、尺度、プロセスを共通化することで、国や拠点を越えた人財の活躍や育成、コンピテンシーの発揮を後押しする。

「報酬制度」については、グローバル共通のガイドラインを整備。市場競争力のある報酬制度を実現するとともに、成果創出・コンピテンシーを発揮した従業員に報いる報酬体系に改める。2024年度から新報酬制度を導入する予定。

◎人財情報システム「Workday HCM」　個人と組織の生産性の最大化を推進

新制度の運用に併せて個人と組織の生産性の最大化を推進するためにワークデイ社（米・Workday, Incの日本法人）から人財情報システム「Workdayヒューマン キャピタル マネジメント（Workday HCM）」を導入した。国内外の組織や人財情報のリアルタイムでの可視化および活用が可能となり、社内情報管理の観点からスピーディなグローバルシステムの展開および拡張が可能になる。

同社は、「引き続き後継者育成計画、人財育成、採用等の機能やデータを拡充し、グローバルでの戦略的人事施策の実行、ならびに人事業務の共通化による生産性の向上を進めたい」としている。