武田薬品は10月18日、2019年に買収したアイルランドの製薬大手シャイアーに係るアイルランド歳入庁との税務紛争について、アイルランド歳入庁に１億3000万ユーロを支払うことで和解する契約を締結したと発表した。アイルランド歳入庁は当初、３億9800万ユーロを課税するとしていた。武田薬品はこれまでに異議申し立てを行うとともに、本件の税金費用を引当計上（具体的な金額は非開示）していたが、今回の和解により約630億円の税金費用が減額されるとした。

シャイアーは14年に、米アッヴィからの買収の申し出の取り下げに関する違約金16億3500万米ドルを受領した。アイルランド歳入庁は18年11月、この違約金に３億9800万ユーロを課税すると通知。武田薬品は異議申し立てなどを行っていた。

武田薬品は、「アイルランド歳入庁との本和解契約に基づき、当社は本違約金の受領に関する全ての債務の完全かつ最終的な解決として、利息を含み罰則を含まない金額である１億3000万ユーロをアイルランド歳入庁に支払う」とした。和解金の支払いは23年度第３四半期を予定している。