持田製薬と塩野義製薬は11月1日、不眠症治療薬ダリドレキサント(一般名、開発コード:ACT-541468)について、日本国内での販売提携契約を締結したと発表した。今回の販売提携契約では流通を塩野義製薬が担い、販売や情報提供活動の具体的な体制は今後協議を進めるという。持田製薬は「連携を通じて、上市後の製品価値の早期最大化を図っていきたい」としている。

ダリドレキサントは持田製薬とイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンが共同開発し、10月31日に日本での承認申請を発表した。塩野義製薬は中枢神経領域への注力を進めており、2023年2月に承認取得した不眠障害治療用アプリでは開発元のサスメドから国内での独占販売権を得ている。また、今回の発表と同日の11月1日には米国の製薬企業、Apnimed社との睡眠障害における課題解決を目的とした合弁会社設立を発表した。塩野義製薬は「睡眠に関する領域でアプリや別の事業との相乗効果が期待できる」とダリドレキサント販売提携の狙いを示した。

経口投与のダリドレキサントは、覚醒を促す神経ペプチド(オレキシン)の受容体(OX1R及びOX2R)への結合を選択的に阻害し、過剰な覚醒状態を抑制し睡眠状態へと移行させることで効果の発揮が期待できるデュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)。

なお、契約金や販売に関する利益分配などは「非開示」としている。