三菱ケミカルグループは12月22日、筑本学・執行役エグゼクティブバイスプレジデントが2024年４月１日付で代表取締役社長に昇格するトップ人事を発表した。同日会見した筑本氏は、傘下の田辺三菱製薬を指すファーマ事業について、「現状でも収益力はある」との認識を示した上で、開発パイプラインを中心に今後、成長分野をより理解し、「（24年の）秋に全ての戦略を話したい」と述べた。

21年４月から社長を務めているジョンマーク・ギルソン氏は、24年４月から６月開催予定の株主総会までの間、取締役を務めた後、退任（退職）する予定。

同社は現在、▽カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの取り組み、▽日本の石油化学産業をめぐる業界再編、▽スペシャリティマテリアルズ事業の成長、▽さらなるポートフォリオ改革――という経営課題がある。このような中で同社の社長に関する指名委員会は、特に石油化学事業に精通した筑本氏をリーダーとする新体制に移行する必要があると判断した。

筑本氏は1988年４月に三菱化学（現三菱ケミカル）に入社。2023年４月から現職。88年に東京大経済学部卒。59歳。