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厚労省 安定供給へ後発品企業情報可視化 ガイドライン案のパブコメ開始 共同開発先や原薬購買先など

公開日時 2024/03/13 04:52
厚労省は3月12日、「後発品の安定供給に関連する情報の公表等に関するガイドライン(案)」のパブリックコメントを開始した。ガイドライン案では、複数銘柄が同一の製造所で製造されている場合を透明する観点から、「製造販売する品目の原薬に係る製造国及び、複数の購買先」、「共同開発され、承認取得した品目の共同開発先企業名」などを各企業のウェブサイトで公表することを求め、厚労省のホームページにURLを掲載することで情報を一元化する。2024年度薬価制度改革で導入された後発品の企業指標では企業情報の可視化が最大のポイントとなっている。企業情報の可視化により、品質が確保された後発品を安定供給できる企業が市場で評価され、結果的に優位にする狙いがある。

企業情報の可視化をめぐっては業界で取り組みが進められている一方で、情報を公表する企業が一部であることなどが指摘されていた。2024年度薬価制度改革では、後発品の企業指標が導入された。「後発品の安定供給に関連する情報の公表」が指標の一つに据えられており、6月にも企業が公表することが求められている。

ガイドラインの対象は、「後発品を製造販売する全ての企業」が対象で、後発品と1967年以前に承認・薬価収載された準先発品について公表を求める。ただし、「後発医薬品以外の医薬品においても、安定供給に係る企業情報の可視化は医療現場や国民にとって有益であることを踏まえ、後発品以外を製造販売する企業においても関連する情報を公表することが望ましい」としている。

◎複数銘柄が同一製造所で製造されている場合の「透明性」を評価 

具体的な公表項目としては、「各品目の製造等に関する情報」、「製造販売業者の安定供給体制等に関する情報」、「後発品の安定供給のための予備対応力の確保の具体的対応方法」、「製造販売する後発品の供給実績に係る具体的対応方法」について具体的な公表事項を明確にした。

「各品目の製造等に関する情報」については、複数銘柄が同一製造所で製造されている場合の透明性等を評価する目的で定めた。公表する項目の一つである、「製造販売する品目の製造業者名」としては、任意の公表事項として、「製造委託する製造委託する医薬品の割合を可視化する観点から、自社が製造販売する後発品・その他品目のうち、自社で製造する品目の割合を公表することが望ましい」と明記した。

◎原薬のダブルソース割合や共同開発品と開発主体を明確化

「製造販売する品目の原薬に係る製造国及び複数の購買先」については製造国を公表するほか、輸入により粗原薬を入手し、国内で最終精製工程を実施している原薬については、粗原薬の製造国と最終精製工程を実施した国を併記することも求める。また、サプライチェーン強靱化の観点から、複数の原薬購買先が求められていることから、「原薬を複数購買している品目数の割合」の公表も求めた。

「共同開発され、承認取得した品目の共同開発先企業名」についても公表を求める。共同開発品目の開発主体を明確にしたうえで、共同開発先の企業名(製造販売業者名)の公表を求める。また、任意の項目として、「共同開発品目数の割合」の公表が望ましいことも盛り込んだ。

◎「製造余力」を評価 大スケールの製造設備への切り替え、製造ラインの複数保有など公表

「後発品の安定供給のための予備対応力の確保の具体的対応方法」としては、安定確保医薬品について、「製造余力」、「製造余力指数(3か月以内にさらに追加で増産し、供給できる供給量の指標)」、「在庫量確保」、「在庫指数(現在の在庫確保量」を当該品目の3か月分の標準的な在庫で除して算出する指標)」の公表を求めた。あわせて、「直近3年間の供給状況」 等を公表する。製造余力指数と在庫指数の算出根拠を4月、10月の年に2回、厚生労働省に報告する。

製造余力については、有事が起きた際に対応可能な製造余力の種類として、①生産ロット数を増加、②大スケールの製造設備への切り替え、③製造ラインの複数保有、④複数の製造拠点保有、⑤製造余力無し、⑥非公表-の公表を求めた。安定供給のための予備能力対応力確保に当たっては、有事に備えた平時からの柔軟かつ迅速な増産が可能な増産を可能とするような増産体制を求め、「自社内あるいは他社との協業により、製造拠点または製造ラインを複数保有することが望ましい」とした。製造余力が持てない場合であっても、3か月以上の 在庫量 を確保し、有事の際は在庫を放出できるようにすることも求めている。

このほか、基礎的医薬品や不採算品再算定対象品目、高い市場シェアを獲得している品目など、医療上の必要性が高い医薬品についても、「供給リスクの高い品目から 予備対応力を持つべき」とした。

◎過去3年間の年間供給実績数量、直近6か月の計画に対する供給実績数量の割合(指数)公表

「製造販売する後発品の供給実績に係る具体的対応方法」については、医薬品の供給にかかる企業実績 、 企業の安定供給実態 、 供給不安解消のための企業努力を評価 する目的で定められた。過去3年間の年間供給実績数量、直近過去6か月分の月次の供給計画数量に対する供給実績数量の割合(指数)を公表する。他社へ委託して製造する場合には、委託先製造所との契約に基づき設定した供給数量を基に設定することとした。なお、直近過去6か月分の月次供給実績数量、6か月先の月次供給計画数量を4月と10月の年2回、厚労省に報告する。

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