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NICEガイダンス案  喘息薬オマリズマブを非推奨に変更

公開日時 2012/11/16 04:00

英国立医療技術評価機構(NICE)は11月8日、スイス・ノバルティス社の喘息治療薬Xolair(オマリズマブ)について、2007年の「技術評価ガイダンス133」では、成人の重度の難治性アレルギー喘息の適応で、NHS(国民保健サービス)における使用を推奨していたが、最近のデータを検討、見直した結果、非推奨とすることを決定したと発表した。 


今回、見直したガイダンス案では、小児(6歳から11歳)における重度の難治性アレルギー喘息に対する使用を非推奨としていた2011年の「技術評価ガイダンス201」は変更せず、非推奨を継続した。現在、Xolairは、英国では、成人および12歳以上の青少年における重度の難治性アレルギー喘息の管理改善に対する標準療法の上乗せ療法として承認されている。標準療法は、高用量吸入コルチコステロイド、長時間作用型β2拮抗剤、および適正な場合の経口コルチコステロイドとされている。


NICEのAndrew Dillon理事長は、「NICEの評価委員会は、重度の難治性アレルギー性喘息が個人の生活に悪影響を与えることやオマリズマブが成人、小児、青少年の同疾患に有効なことは承知している」としたうえで、「2007年の最初の評価以降、入手した新規のエビデンスは、当初期待したような臨床的かつ費用対効果を示さなかった」としながらも、同剤のベネフィットを生かすことを検討したが、ベネフィットに関する定量化可能なデータはなかったとした。そのため、「残念ながら、評価委員会は、NHSでオマリズマブの使用を続行認めるわけには行かない」と説明した。


オマリズマブは、抗IgE抗体製剤(注射剤)。同剤の薬価は、150mgバイアルが256.15ポンド、75mgバイアルが128.07ポンド(付加価値税除く)。用法用量は、2週ごとの最大用量を600mgとして、2週あるいは4週ごとに75-600mgを服用する。従って、同剤の薬剤費は、75mg投与を4週毎で1年あたり約1665ポンドから600mg投与を2週毎で1年あたり26640ポンドとなる。


評価委員会は、同剤の費用対効果については、ノバルティス社が提出したICER(増分費用対効果)の試算と委員会の試算とを比較検討した結果、オマリズマブの1QALY(質調整生存年)当たりICERは、NHSのリソースの効果的な使用をする場合よりも多額になると結論付けた。


また、NICEは、安価に薬剤を提供する患者アクセススキームはノバルティスから提出されていないとしている。英国において喘息で治療を受けている患者は520万人以上といわれ、そのうち110万人が小児。同ガイダンス案へのパブリックコメントは11月30日まで募集している。最終ガイダンスの発行は、2013年4月の予定。       

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