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患者の副作用報告、NCIのツールで標準化へ

公開日時 2011/08/02 04:00

米国立がん研究所(NCI)は、がん患者の抗がん剤による副作用について、患者による副作用報告の標準化を目的としたツールを開発している。


これは、「患者報告アウトカム―副作用共通用語基準」(The Patient-Reported Outcomes-Common Terminology Criteria for Adverse Events :PRO-CTCAE)と呼ばれるツールで、このツールの有用性を検証するために無作為化試験を実施、現在、1集団ではこのツールを使用、他集団ではこれを使用しないで、2集団を比較対照、評価している。観察期間は約2年。


このようなツールが必要となった原因には、一般的に医師はがんや慢性疾患の患者の副作用について、報告をせず、しても過小評価する傾向があることにあり、患者の方が自分の副作用を理解している点にあるという。ノースカロライナ大学のBryce Reeve氏は、このツールについて、「標準的な質問票がないと医師は下痢のような症状を尋ね忘れ、患者はそれを報告しない」と最低限の質問を逃さないツールの作成が重要との考えを示した。メモリアルスローンケータリングがんセンターのEthan Basch医師が2010年3月にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表した論文でも、医師報告の少なさや過小評価の実態を報告している。


NCIはメモリアルスローンケータリングがんセンターにツールの開発を依頼し、その評価も委託している。最近、PRO-CTCAEを使用するうえでの障害は何か、また、使用するうえでの理想は何か―などの調査を実施、結果がまとまった。


それによると、90%を超える回答者は、患者報告は、がんの臨床試験での患者の経験を理解するうえで大変役立ち、かつ、患者に投与量の変更などを知らせるのにも役立つと答えている。さらに、PRO-CTCAEの項目やソフトウェアは、副作用報告データの質、臨床的決定の向上、患者と医師のコミュニケーションの醸成などを改善する手段としても検討される予定だ。


 

(The Pink Sheet  7月18日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから


 

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