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ファイザー 租税回避で英企業買収諦めず?

公開日時 2014/08/28 03:50

米ファイザーは、今年5月末に英アストラゼネカ(AZ)の買収を断念したが、英国の関連法規の規定で再度買収交渉が可能となる11月末を控え、早くも同社が英国に本社を持つActavisをターゲットにしているとの一部観測を米ブルームバーグ通信(8月21日付け)が報じた。


ファイザーは、AZ買収の理由のひとつに租税回避のために英国に本社を置くことを挙げていたが、あくまでもそれを貫く考えのようだ。


同社は英国に本社を持つ企業を標的としているようで、ジェネリック医薬品企業Actavisの名前が浮上している。
Actavisは、昨年、Warner Chilcottを買収、グローバル本社をアイルランドのダブリンに移した。米国管理本社はニュージャージー州パリスパニーである。


同社は、今年、7月1日に米Forest Laboratoriesを280億ドルで買収、アルツハイマー病治療薬Namenda(メマンチン)やβ遮断薬Bysytolic(nebivolol)などを獲得、製品ポートフォリオを拡充させた。これによりActavisの企業価値は590億ドルになったという。このようなことを背景に、本社をダブリンに持つActavisは、ファイザーが買収するには、十分な標的だとの見方が生まれている。


ロンドンに本社を持つ英グラクソスミスクライン(GSK)もファイザーが買収するには十分な標的だが、もし、買収提案が現実となると、英国ではAZ以上の政治的な反対論が高まると予想される。ファイザーは、租税回避のために本社移転を行うことに対する政治的反論に敏感になっているとみる向きもある。


ファイザーが本社を海外移転させると、同社は課税されることなく300億ドル以上の海外の現金や投資を米国に還流させることができる。ファイザーのIan Read CEOは、同氏が買収する米国をベースとした企業の収益改善を目的に低い税率を利用することができるようになる。


証券会社Credit Suisse Group(ニューヨーク市)のVamil Divan氏は、「ファイザーが節税の目的で英国に本社を移転させようとすることは、ファイザーが再度買収提案を行い、(買収価格を)1株当たりあと3-4ポンド上げる余裕があることを意味している」と話している。


さらに同氏は、「最終的には、長期的なベネフィットは追加コストよりも価値がある。もし、ファイザーは、AZ買収に匹敵する別のアイディアがなければ、少なくともAZ買収を注意深く再検討するだろう」と見通している。11月末以降のファイザーの動向が注目される。

 

 

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