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PhRMA 米インフレ抑制法の価格設定規定は「違憲」で提訴 NICA、GCCAも追随 製薬の反発強まる

公開日時 2023/06/23 04:50
バイデン政権のインフレ抑制法(IRA)をめぐり米国研究製薬工業協会(PhRMA)が6月21日(現地時間)、価格設定規定は違憲であるとして提訴した。この日はPhRMA以外に米国立輸血センター協会(NICA)と世界結腸がん協会(GCCA)も提訴に踏み切った。すでに米メルクやBMSもインフレ抑制法を違憲として提訴しており、製薬および関係団体の反発が強まっている。

◎PhRMA Stephen J. Ublプレジデント兼CEO 「研究開発と患者アクセスを脅かす愚策」

PhRMAのStephen J. Ubl・プレジデント兼CEOは、「インフレ抑制法の価格設定スキームは、研究開発の継続と患者の医薬品へのアクセスを脅かす愚策だ。透明性と説明責任に対する障壁が含まれており、行政府に価格設定の自由な裁量を与えているため合衆国憲法にも違反している」と指摘した。また、「メディケアにおける医薬品の価格は、不条理な執行メカニズムに依存して遵守を強制されている。裁判所が提起された深刻な懸念を認識し、価格設定規定が違憲であると宣言することを期待する」とコメントした。

◎NICA「ほとんどの企業が生き残れない」 GCCA「患者の希望を狭めることにつながる」

一方、NICAのブライアン・ナイキスト最高経営責任者は、「価格設定条項により、すべての輸液センターで追加料金が平均50%削減されると予測され、これは一夜にして収入が減少し、ほとんどの企業が生き残れない」と主張。「地域密着型の輸液センターへのアクセスを維持するには、訴訟が唯一の選択肢であると考えた」と強調した。さらに、GCCAのアンドリュー・シュピーゲル事務局長は、「7 年以内に結腸・直腸がんは50歳未満のがんによる死亡の第1原因になると予測されている。インフレ抑制法の価格設定規定は、これまでの進歩を妨げ、この病気と闘う患者の希望を狭めることにつながる」と警鐘を鳴らした。

2022年8月にバイデン大統領が署名した「インフレ抑制法」は、世界的な物価高騰などへの対応として、気候変動対策や処方薬の負担軽減策などを盛り込んだ。予算規模は4300億ドル(約57兆円)。同法の目玉となる処方薬のコスト削減では、メディケアパートDを利用する5000万人の高齢者を対象に薬局で購入する処方薬の費用上限を年間2000ドルに制限した。さらに処方薬の適用範囲を改善し、メディケアの薬価を引き下げることで、患者の医薬品へのアクセスギャップを埋める狙いを込めた。

これに対し米国研究製薬工業協会(PhRMA)が当時、すかさず反応しており、Stephen J. Ublプレジデント兼CEOは、「根本的な課題解決にはならない」との声明を発表。当時から「革新的な治療へのアクセスをいまよりも強化するような方法を引き続き確立していく」との見解を表明した。

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