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抗凝固薬・ダビガトラン 重大な副作用に「食道潰瘍、食道炎」 厚労省が添付文書改訂を指示

公開日時 2023/08/30 04:51
抗凝固薬・ダビガトラン(プラザキサ)の「重大な副作用」の項に、「食道潰瘍、食道炎」を追記するなど、5成分の添付文書が改訂された。厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課が8月29日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。アルツハイマー病治療薬・イクセロンパッチやリバスタッチパッチ(リバスチグミン)には重大な副作用にQT 延長を追記するほか、男性脱毛症治療薬・プロペシア(一般名:フィナステリド)の「重要な基本的注意」の項に自殺関連事象に関する注意事項を追記された。

▽リバスチグミン(製品名:イクセロンパッチ・製造販売元:ノバルティスファーマ、リバスタッチパッチ・小野薬品など)

効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
改訂内容:「特定の背景を有する患者に関する注意」の「心筋梗塞、弁膜症、心筋症等の心疾患や電解質異常(低カリウム血症等)等のある患者」(新記載要領)の項又は「重要な基本的注意」(旧記載要領)の項に、「QT 延長又はその既往歴・家族歴のある患者」を追記する。「重大な副作用」の「狭心症、心筋梗塞、徐脈、房室ブロック、洞不全症候群」の項に、「QT 延長」を追記する。

改訂の理由及び調査の結果:本剤と QT 延長との因果関係の否定できない国内及 び海外症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切 と判断した。
国内症例では11例、(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 5 例)、海外症例15 例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 3 例)が報告された。なお、死亡例はなかった。

▽フィナステリド(プロペシア、オルガノン)
効能・効果:男性における男性型脱毛症の進行遅延
改訂内容:「重要な基本的注意」の項に自殺関連事象に関する注意事項を追記する。
「特定の背景を有する患者に関する注意」(新記載要領)又は「慎重投与」(旧記載要領)の項に「うつ病、うつ状態又はその既往歴、自殺念慮又は自殺企図の既往歴を有する患者」を追記する。

改訂の理由及び調査の結果:国内副作用症例において、フィナステリドと自殺関連事象との因 果関係が否定できない症例は認められていないものの、機構で実施したVigiBase の 2023 年 5 月 28 日時点のデータセットを用いた 不均衡分析における IC025 がこれらの事象に関する副作用報告数がデータベース全体から予測される値より統計学的に有意に高かったこと、複数の公表文献において、フィナステリドと自殺関連事象との関 連性が示唆されていること。国内症例は7例で、死亡例も1例あった。因果関係が否定できない症例はなかった。

▽ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(プラザキサカプセル、日本ベーリンガーインゲルハイム)
効能・効果:非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

改訂の概要 :「重要な基本的注意」の項に、食道潰瘍及び食道炎の防止・早期発見を目的とした注意事項を記載する。「重大な副作用」の項に、「食道潰瘍、食道炎」を追記する。

改訂の理由及び調査の結果:重度の食道潰瘍及び食道炎の国内症例が集積している状況を踏まえ、これらの国内症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と食道潰瘍及び食道炎との因果関係が否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。なお、これに伴い、現在、「適用上の注意」の項に記載されている「速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ 1 杯程度)の水とともに服用する」旨を、「重要な基本的注意」の項に記載することが適切と判断した。

国内症例、食道潰瘍は17 例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 14 例であるが、14 例中 1 例は禁忌に該当する症例)、食道炎は32 例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 11 例であるが、11 例中 1 例は禁忌に該当する症例)あった。死亡例はなかった。

▽ペフィシチニブ臭化水素酸塩(スマイラフ錠、アステラス製薬)
効能・効果 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
改訂の概要 :「特定の背景を有する患者に関する注意」の項に「静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者」を追記する。「重大な副作用」の項に「静脈血栓塞栓症」を追記する。

改訂の理由及び調査の結果:静脈血栓塞栓症関連の国内症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と静脈血栓塞栓症との因果関係の否定できない国内症例が確認されたこと、類薬の添付文書において既に当該事象に関する注意喚起がなされていること等を踏まえ、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

静脈血栓塞栓症関連症例の国内症例は5 例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例)。なお、死亡症例はなかった。

セファゾリンナトリウム水和物・セファゾリンナトリウム(セファメジンα・LTL ファーマ、セファゾリン Na 点滴静注用バ ッグ「オーツカ」・大塚製薬工場など)

改訂の概要:「重要な基本的注意」の項のショック、アナフィラキシーに関する注意喚起に、「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記する。「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記する。

改訂の理由及び調査の結果:アレルギー反応に伴う急性冠症候群の国内症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤とアレルギー反応に伴う急性冠症候群との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
国内症例は7例(うち、医薬品と事象との因果関係が否定できない症例 7 例)だった。死亡例はなかった。
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