EMA Gilenyaの安全性評価を開始
公開日時 2012/01/26 04:00
欧州医薬品庁(EMA)は1月20日、ノバルティスの多発性硬化症(MS)治療薬Gilenya(fingolimod)について、米食品医薬品局(FDA)が2011年12月に安全性情報を発行したことを受け、同剤のベネフィット/リスクについての評価を開始したと発表した。
同剤については、承認時点で服用後に徐脈の有害事象が発現することは知られており、添付文書にも記載されている。
しかし、FDAは昨年12月同剤を服用した患者が服用後24時間以内に死亡したとの報告を受け、安全性情報を発行、医療関係者・患者らに注意喚起を行った。FDAは死亡と同剤との因果関係は明らかでないとしているが、さらに同剤の安全性について調査を続行する考えを示していた。このFDAの動きを受け、EMAも調査開始を決定した。
Gilenyaは、EUでは2011年3月にベタフェロンが無効か重度の再発寛解型MS患者を対象にして承認されている。
CHMPは、医師に対して、同剤が初回投与後、徐脈・房室ブロックなど心臓への有害事象を発現させる可能性があることから、初回投与後、血圧、心拍数、心電図などの心臓モニタリングに集中するよう求めた。また、患者には、胸痛、めまい、脱力感などの症状が出現したら医師に相談するよう推奨している。
CHMPはノバルティスから関連情報の提供を受け、それも考慮、同剤のリスク・ベネフィットのバランスを検討、総合的に判断する姿勢を示しており、最終的に12年3月の全体会議までに結論を出す予定だ。