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人生100年時代の働き方は「終身成長望む時代に」

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一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会/株式会社ミクス共催オンラインセミナー

人口構造や経済情勢の変化など、働き方をめぐる環境の変化が著しいいま、人生100年時代の働き方について考えようというオンラインセミナーがこのほど、開かれました。セミナーには、製薬企業から他業界に転職した経験者のほか、医療・ヘルスケア分野における革新的な取り組みを支援する一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会の代表らが登壇。このなかで同協会代表理事の天野達郎氏は、「働き方はこれまでの終身雇用から終身の成長を望んでいく時代になった。そのために自分の強みを知り、目指す分野において深く学び、コミュニケーションを高めていくことが成功につながっていく」と強調しました。

セミナーは、働き方をめぐる環境の変化にどのように対応していけばいいのか考えようと、ヘルスケアイノベーション協会/ミクスが開催しました。セミナーではまず、Monthlyミクス編集長 沼田佳之が、「世の中の変化とそのトレンド」と題して講演。製薬の研究開発の主領域が低分子からバイオ医薬品、ヘルステックに変化するなか、「新しい時代の切り口として考えるべきはベンチャーエコシステムの強化で、ベンチャー企業にどんどん目を向けていかなければならない」と指摘。「ベンチャー企業で製薬企業出身者が活躍しているケースを知って、みなさんが活躍するマーケットはたくさんあるということを知ってほしい」と呼びかけました。
元MRはコロナ禍きっかけに転職決意「キャリアの先は長い」
このあと、製薬企業出身で現在は別の業界で勤務する2人が「キャリアの二毛作を成功に導くために」と題してスピーチしました。このうち元MRで、現在はIT企業のFRONTEOで勤務する井口健太郎氏は、販売情報提供活動GLの施行や新型コロナウイルスの流行により、今後のキャリアに不安感を抱いたことが転職のきっかけになったと振り返りました。井口氏は、「70歳まで働くことを考えると先は長く、MRとしてのキャリアや生活を維持するほうが難しいのではないかと考えた。他業界への挑戦になったが、これまでの経験を生かしたいと考え、ライフサイエンスとAIやITの分野を事業とする現在の会社に転職した」と説明。そのうえで「特別なスキルを持っているわけではないが、顧客対応や提案書の作成や商談など、現在の会社での業務は基本的なスキルがあれば通用すると感じている」と話し、「基本的なスキルと気持ちがあれば、(他業界であっても)チャレンジしていける」と呼びかけました。

また、製薬企業の研究開発職など4社での経験を経て、医師専用オンライン専門医相談サービスを運営するMediiに勤務する石川光雄氏は、「複数の異なるフィールドで価値を出そうともがいた結果、幅広いスキルを育てるきっかけを得ることができた」と振り返りました。そして「1つのスキルを探求することも重要だが、幅広いスキル開発の端緒に触れることが、その後の選択肢を広げてくれる」と話しました。
仕事のスケール感に変化 戸惑いつつも「転職してよかった」
このあとのパネルディスカッションでは、井口氏と石川氏に加え、ヘルスケアイノベーション協会代表理事の大角知也氏とミクスの沼田の4人が「人生100年時代の働き方」をテーマに意見を交わしました。

沼田が「製薬企業とベンチャー企業では仕事のスケール感は異なるか」と質問すると、井口氏は、「スケール感は全く違う。ベンチャー企業は何でもやらないといけない。例えばMR時代は訪問先が決まっていたが、今はどこにアプローチをするかについてリストを作り、自分で営業してヒアリングしてニーズをつかみ、提案を伝え、最後は契約の締結まですべてやらないといけないので、スケール感が広がった。0から物事を作っていくことに魅力を感じている」と答えました。石川氏も「まったく求められることが違うので最初はとまどった。私はセールスのポジションだが、『我々のサービスを顧客に届ける』という目標に向かって全社一丸となって取り組むというカルチャーがあった。オープンなカルチャーだったので、わからないことは正直に伝えることで、価値を出していく道を模索していった」と話しました。

これに対し大角氏は、「スタートアップのマインドとして、最新のナレッジを共有しようというものがある。動きが早く、吸収も早い、情報もたくさん集まってくるというのが面白いところなので、協会でもこうした動きを加速させる支援を行っている。日本経済が右肩下がりになるなか、待っていても仕方ないので、危機感やワクワク感を原動力に(自身の成長を目指して)動く必要がある」と指摘しました。

そのうえで成功の条件について、井口氏は「人をいかに大事にできるかだ。転職しても付き合うのは人なので、いかに目の前の人をリスペクトできるのかが重要だ」と答えたのに対し、石川氏も「人との付き合いは、特にベンチャー企業のような小さな会社では重要だ」と賛同しました。そのうえで「ヘルスケアへの興味や、社会に対して自分は何を成し遂げたいかという信念を持ち続けていきたい。誰と何をしたいか考えていくことが重要だ」と述べました。

最後に大角氏が「製薬企業から転職してよかったか」と尋ねると、2人とも「よかったと思っている」と答えました。石川氏は、「厳しいこともあったけど、見る世界が広がった。自分に何ができて何ができないのかということを実感し、もがいていることはもどかしくもあり、やりがいがある。このフィールドに飛び込んでよかった」と強調しました。井口氏も「大変なことの方が多いかもしれないけど、いろんなことができるということが将来に繋がっていると思っているので、これからも頑張っていきたい」と答えました。

【告知】
第2回ヘルスケアイノベーション集会
2023年6月10日(金)14時~17時 TKP飯田橋ビジネスセンター
主催者 一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会
お申込みはこちら https://peatix.com/event/3548903


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