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ライフラインチャート活用した自己分析を  他業種と比較し高いMRの不安感解消へ

エディタV2
ピーエムリンク 田口武士氏が講演
 

ミクスはこのほど、自己分析の手法の1つであるライフラインチャートを活用することで、自身のキャリアを考えようというセミナーを開催した。ライフラインチャートとは、人生の中で経験した出来事や感情の浮き沈みを、時系列でグラフのように表したもの。講師を務めたピーエムリンク合同会社の田口武士氏は、MRと他業界で働く人を比較したところ、MRは職種に対する将来性や自身のスキルに対する不安感が非常に高いと指摘。「ライフラインチャートでは職務経歴書ではみえてこない感情の動きも含めた分析ができる」と述べ、参加者に対し、不安の正体や将来のキャリアを考えるための手段の1つとしてライフラインチャートを活用することを勧めた。

田口氏はがん領域のMRなどを経て、2019年にピーエムリンク社を設立し、医療データの可視化や、患者やその家族を支えるツール開発や研究を行っている。同日の講演は、「MRのキャリアを『感情』『思考』『行動』から紐解く―製薬業界の不安の正体を他業界との比較から考える―」と題して開催。年齢や就職した年次、仕事へのモチベーションなどを数値として入力することで、簡単にチャート化することができる同社のライフラインチャートを紹介した。

講演のなかで田口氏はまず、25年1月~2月にかけて、MR経験がある会社員と経験がない会社員を対象に行ったオンラインアンケートの結果を報告。現役MRの65%が「MR職そのものの将来性に不安を感じている」と回答し、MR経験がない会社員の「ついた職業そのものの将来性に不安を感じている」(10%)を大きく上回ったと紹介した。また現役MRでは転職を考えている人が46%に上るものの、実際に転職活動を行っている人になると12%にまで減ることがわかり、「他業種、他職種でも通用するのか不安があるというMRならではの悩みが見えてきた」と説明した。

そのうえで田口氏は、「現役MRは、なんとなく不安を感じているものの、その不安の正体を突き詰めるということをしていないのではないか。ライフラインチャートでは職務経歴書では見えてこない感情の動きも含めた分析ができる」と指摘。ライフラインチャートを活用して、キャリアを時系列で整理することで自己分析することを提案した。

このほか田口氏は、ライフラインチャートは、自己分析ツールという側面だけではなく、他者に自分を理解してもらうためのツールや、企業側の人材育成のための手段としても活用できると強調。「企業側は、収集したデータをもとに仕事へのモチベーションが低下するポイントはどこかなどを探ることができる」として、企業のキャリア支援プログラムの開発にもつながると述べた。

講演に先立ち、ヘルスケア業界を中心に人材の発掘やマッチングをサポートするブライトゲート社代表の桐田博史氏は、「新卒初任給30万円が示す人事制度の未来」と題し、近年、大手企業を中心に初任給を引き上げる動きの裏側について説明した。桐田氏は、「初任給引き上げの要因は、人材不足による採用難易度の上昇や長年据え置かれた状況の是正のためと説明されることが多いが、人事制度全体を変えていこうという企業側の考えが背景にある」と指摘。特にジョブ型雇用へのシフトについては注視すべきだとし、「キャリアをきちんと考えなければいけない。ライフラインチャートはその有効なツールだ」と強調した。



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