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経産省 2023年「J-Startup」の選定企業50社を公表 創薬・医療分野も多数選出 スタートアップ支援

公開日時 2023/04/10 04:50
経済産業省は4月6日、官民によるスタートアップ支援プログラム「J-Startup」の2023年選定企業50社を公表した。創薬・医療・ヘルスケア分野のベンチャー企業が多数含まれる。「J-Startup」は、実績あるベンチャーキャピタリストや大企業の新事業担当者等の外部有識者からの推薦に基づき、潜在力のある企業を選定し、政府機関と民間の「J-Startup Supporters」が集中支援を行うプログラム。J-Startup企業は、海外展開支援などの政府施策や民間サポーターの成長支援を活用しやすくなる。

「J-Startup」プログラムは、経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事務局となり、プログラムの運営を行っている。これまでに海外・国内大規模イベントへの出展支援、海外現地支援、研究開発支援、規制改革対応、入札機会拡大、民間企業「J-Startup Supporters」との連携支援などを行ってきた。

今回の選定は第1次(92社:2018年6月)、第2次(49社:2019年6月)、第3次(50社:2021年10月)に続く4回目となる。選定にあたっては、推薦委員となる民間有識者に加え、新たに、総務省、文科省、厚労省、農水省、国交省、環境省が推薦する有識者およびインパクト投資、インパクトスタートアップ分野の有識者を追加し、50社のスタートアップをJ-Startup企業として選定した。

医療・ヘルスケア分野で選定した「J-Startup2023年選定企業」(一部・推薦理由コメントより一部抜粋)は次の通り。

【SyntheticGestalt】
AIを用いて創薬や新しい酵素の開発に取り組んでおり、既存の手法では予測できなかった新規酵素の発見を可能する研究成果は世界を変えるポテンシャルを秘めている。
カーボンニュートラルの実現にも取り組んでおり、二酸化炭素からメタンを合成する研究は世界においても希少性が高い。科学的発明の量産と安定供給を実現するAIの社会実装は人類社会を大きく前進させるものである。 

【ソニア・セラピューティクス】
早期発見が難しく、治療法は限定的である分野において従来にない画期的な治療法として期待されている。
治療の普及に向けた操作性向上のため、治療計画、治療ガイドも搭載。医師の技能に左右されない普遍的な治療システムの構築を目指している。海外展開も進めており、日本初の革新的医療機器の成功モデルとなりうる企業。

【ヒューマンライフコード】
胎盤と胎児をつなぐ組織である臍帯(へその緒)の可能性に着目し、世界に打って出られる技術を持っている。
希少難治性疾患を対象に世界中の命をつなぐ社会起業家。従来、臍帯(へその緒)は廃棄するしかなかったが細胞製品原料としての利用を行政に働きかけるなど日本ひいては世界の医療を前進させる。

【ファストドクター】
「2040年問題」の解決に向けて新しい医療インフラの構築を目指す急成長中のスタートアップ。
ビジョンドリブンかつコンプライアンス意識の高いマネジメントがあり、経営力・オペレーション力の高さはコロナ禍においても十分に発揮されていた。高度救急医療リソースの最適化を目指す社会的意義や患者の潜在ニーズが大きく深いことを鑑みても期待は大きい。 

【メタジェンセラピューティクス】
日本を代表する基礎研究者、情報科学者、医師、事業化のプロフェッショナルであるVC経験者と長年、製薬会社で研究開発をリードしてきた人材も加わり、大学発シーズを社会実装する上で、これ以上ないチーム。
世界で失われつつある健康な腸内細菌叢の回復は、重篤で完治の方法のない疾患に対して、新しい治療オプションを提供する可能性を秘めており、患者のQOLにおいても医療経済全体にとっても、大きなインパクトがある。 

【モジュラス】
最先端の計算科学技術を用いた創薬プラットフォームを展開。世界のヘルスケアの発展に貢献しうるスタートアップ。
計算科学のノウハウ・技術が事業の大きな特徴。スパコンを使ったシミュレーションを高速回転させることでまったく新しいシーズの発見や開発期間の短縮が可能となる。価格的にアクセスしやすい薬となることも期待されている。海外での資金調達も行い、既にグローバルな展開をしているが創薬パイプラインがより成熟し、数も増えていけばさらなるグローバルでの活躍が期待できる。

【リジェネフロ】
同社と同様の研究・開発を行うチームは世界に数少なく、極めて稀有な存在。
有効な治療技術は存在しないといわれている慢性腎不全の根本的な治療法の開発は年々増加する全世界の患者を救う可能性を秘めている。腎移植・慢性腎臓病のニーズは海外でも高まっており、グローバル展開も期待したい。 

【ルカ・サイエンス】
世界に先駆けて、ミトコンドリアを安定的に単離、製剤化する技術を開発。臓器機能障害に対して幅広い応用が可能であり、既に大手製薬企業との共同研究も開始している。
英国に拠点を持つほか、海外に複数の科学顧問もおり、英国VCがリード投資家として参画するなどグローバルでミトコンドリア医薬のパイオニアとしての地位を確立しつつある企業。

【ルクサナバイオテク】
いまだ治療法がない疾患の克服を目指す創薬スタートアップであり、大阪大学で蓄積された技術から“核酸医薬品”の実用化を進めている。次世代の医薬品として注目している。
既に、海外の創薬ベンチャーへの技術導出を含む複数のパイプラインが進行中であり、核酸技術で世界をリードするポテンシャルを十分に有する。 

【HOKUTO】
日本から世界へと羽ばたいてもらいたい企業。海外にも医師プラットフォームは存在するが、当社の強みとする"臨床現場にフォーカスした“アプローチは未着手で開拓の余地がある。
サービスを磨き込むことで、医療現場の労働環境を改善するとともに、医師への最適な情報流通を通して多くの人の健康に貢献し得るソリューションを提供。 

【セルージョン】
取り組んでいる課題の大きさ、基盤となる技術・サイエンス、経営者の人柄が推薦の決め手となった。
多くの待機患者がいる水疱性角膜症はアンメットメディカルニーズがある分野。高齢化に伴い患者の増加も見込まれており、世界の移植待機患者問題を解決しうる治療法として優位性がある。

【フロンティア・フィールド】
病院特化モバイル端末の提供をハブとして日本の医療業界のDX推進を担うユニークな会社。ナースコール対応等の制約のためPHSベースとなっている院内コミュニケーションインフラをスマホベースへと移行させるソリューションを提供し、医師・看護師の働き方改革や医療費削減など、医療現場にまつわる様々な社会課題を解決している。
類似のDX課題を有する東南アジア諸国への海外展開も予定しており、さらなるグローバルでの活躍にも期待。

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