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大塚HDが上場後初の決算会見 エビリファイの特許切れ対策、後継品の育成順調

公開日時 2011/02/16 04:00

大塚HDは2月15日、東証に上場後、初の決算説明会を開いた。この日発表された2011年3月期第3四半期(4月-12月期)の業績によると、医療関連事業の売上高は前期同期比2.1%増の5453億円、営業利益は8.7%減の1042億円。売上のほぼ半分を占める最主力品の抗精神病薬エビリファイは2.9%増の2758億円だったが、同剤は米国で15年4月に特許が切れるため、次期主力品の育成に注目が集まっている。特許切れ対策として承認を急ぐエビリファイの持効性注射剤は米国で今夏頃に申請を予定するほか、同剤の後継品と位置づける「OPC-34712」について11年度中にフェーズ3を開始し、特許満了前に発売したい考えだ。5月には中期経営計画を発表する予定。(写真は、説明する樋口達夫社長)
 
エビリファイの主戦場である北米では市場の停滞やヘルスケアリフォームの影響がある中で、同社の販促施策の実行で昨年10月から本格的に効果が現れ始め、現地通貨ベースで順調に推移(6.1%増)したが、円高の影響で微減(1.8%減)となった。同剤の販売提携先のBMSとの昨年以降の契約更新により、米国販売に関する収益基盤は強化されており、北米の同剤の売上実績は10-12月期は前年同期比6.9%増の9億5900万ドル。樋口達夫社長兼CEOは「現地通貨ベースで手ごたえを感じているし、11年に入っても順調に来ているのではないか」と自信を示した。この売上実績は国内の大塚HDの通期決算に計上されることや、幾つかのプラス要因により、HD全体の通期の売上高は5.0%増、営業利益は21.9%増となる見通しだ。

エビリファイ以外の主力製品は、がんが10.7%増の59億円(抗悪性腫瘍剤ティーエスワンは0.5%減の287億円)、臨床栄養が1.3%増の10億円、抗血小板剤プレタールが2.3%増の9億円、胃炎・胃潰瘍治療剤ムコスタは薬価改定や後発品の影響を受け、19.9%減の59億円だった。

一方、国内では昨年4月から現在までに4製品(制吐剤アロキシ、抗がん剤アブラキサン、抗てんかん剤イーケプラ、水利尿剤サムスカ)を上市。アロキシは制吐剤市場で発売開始8カ月でシェアトップ(24%)を獲得し、売上28億円となったほか、アブラキサンは発売4カ月で売上5億円(タキサン系市場でのシェア4%)、イーケプラは使いやすさが評価され、発売4カ月で売上3億8000万円(抗てんかん薬市場でのシェア3%)だった。

現在の開発プロジェクト数(1月末時点)は46。最重点領域と位置づける中枢神経系のプロジェクトが12(P2が3、P3が8、申請中が1)、がんが17プロジェクト(P2が10、P3が6、申請中が1)と、開発プロジェクトは充実している。がん領域で期待の品目は、分子標的薬「TSU-68」(肝細胞がん:日本・アジアでP3、乳がん:日韓でP2、胃がん:日本でP2、結腸・直腸がん:韓国でP2など)、代謝拮抗剤「TAS-102」(結腸・直腸がん:日本でP2)、治療用がんワクチン「OTS102」(膵がん:日本でP2/3、胆道がん:日本でP2)、治療用がんワクチン「OCV-101」(膵がん:日本でP1) など。

 

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