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国際医療研究センター大曲氏 新型肺炎は「感冒症状遷延し、倦怠感強い」 緊急セミナーで報告

公開日時 2020/02/10 04:51
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は2月7日、新型コロナウイルスによる肺炎患者の傾向として、「感冒症状が1週間ほど続き、かつ倦怠感が強い」ことが挙げられると述べた。日本感染症学会と日本環境感染学会が緊急開催したセミナーで明らかにした。

大曲センター長は、新型肺炎と診断された30代女性の症例を紹介した。女性は1月20日に来日した中国人で、咽頭痛などの症状を訴え、2度にわたり医療機関を受診した。ただ、肺野に湿潤影を確認できなかったことなどから新型コロナウイルスによる肺炎ではないと当初は診断されている。しかし3回目の受診時に、レントゲンで非常に淡い陰影を発見。疑い例の届け出基準に該当しなかったものの検査した結果、新型コロナウイルスへの感染が確認されたと説明した。

大曲センター長は、「1週間程度、急性上気道炎様の症状が続いており、当初は肺炎の典型的な所見を確認しづらかった」と説明。患者の傾向として、「感冒症状が出る期間がインフルエンザよりも少し長いという印象があり、臨床的に疑う鍵になるかもしれない」とアドバイスした。

そのうえで、「中国の患者は、重症者に偏っており、報告されているのは氷山の一角とみられる。軽症の感染者で、診断されていない人もたくさん隠れているのだろう」と指摘。「感染力はインフルエンザと同程度ではないか」と述べた。

◎国立感染研・松井氏 国内の12例の患者の症状を説明

国立感染症研究所感染症疫学センターの松井珠乃第1室長は、国内で感染が確認された12例の患者の症状について報告した。症例は、肺炎12例、発熱11例、咳8例、関節痛と咽頭痛2例。松井室長は、「感染可能な期間やウイルス排泄期間、感染力、感染経路などはまだわかっていない」と述べ、院内の感染防止対策の確認など、基本的な対策を徹底するよう呼びかけた。

◎国際医療研究センター 女性患者に抗HIV薬を投与 症状改善傾向みられたと報告


新型コロナウイルスをめぐっては、タイ保健省がインフルエンザ治療薬と抗HIV薬を併用することで、症状の改善が見られた症例を報告するなど、抗HIV薬の有効性に注目が集まっている。こうしたなか、国内で患者の治療にあたる国立国際医療研究センターの研究グループは2月5日、抗HIV薬を投与することで、症状に改善傾向がみられた事例を報告した。抗HIV薬は、ロピナビルとリトナビル。先述した30代の中国人女性に投与された。1月30日から抗HIV薬の配合剤の投与を開始したところ、31日にかけて酸素化の低下と軽度の呼吸困難がみられたが、2月3日に37度まで解熱し、倦怠感も改善に向かっていると報告した。

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