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協和キリン 24年研究開発費は1000億円、対売上21.1% 次世代戦略品・KHK4083の開発推進などで

公開日時 2024/02/08 04:49
協和キリンは2月7日、2024年に研究開発費として1000億円を投じると発表した。前年比で279億円の大幅増となる。24年の研開費の対売上高比率は21.1%(前年比4.8ポイント増)で、20%を超える水準となる。研開費の大幅増は、次世代戦略品と位置付けるアトピー性皮膚炎を対象疾患とするヒト型抗OX40抗体「KHK4083」(一般名:rocatinlimab)の開発後期プロジェクトを着実に進めるため。1月に買収が完了した造血幹細胞遺伝子治療(HSC-GT)を専門とするOrcahrd社の研開費の計上も含まれる。協和キリンは、中長期の持続成長に向けて、研究開発への優先的かつ積極的な投資を行う。

25年を最終年とする5カ年の中期経営計画では、グローバル戦略3製品(クリースビータ、ポテリジオ、ノウリアスト)の価値最大化を図るとともに、26年以降の持続成長に向けて、▽KHK4083、▽パーキンソン病を対象疾患とするKW-6356、▽濾胞性リンパ腫などを対象疾患とするME-401、▽アルポート症候群や糖尿病性腎臓病を対象疾患とするRTA402――などを次世代戦略品と位置づけて開発する計画を立てた。しかし、KHK4083以外の3つの次世代戦略品は開発を中止した。ノウリアストは欧州で不承認にもなった。

◎「将来のために研究開発投資をしっかりやっていく必要があると判断」

それでもグローバル戦略品のひとつのクリースビータは、連結売上の3割以上を稼ぐ最主力品となり現在も成長が続いている。同剤の特許切れは「30年代」(同社広報部)で、まだ時間がある。同社の川口元彦・常務執行役員財務経理部長はこの日の23年通期決算に関するオンライン財務関連説明会で、「中期経営計画で想定したいくつかの後期開発品の開発が中止になった。ノウリアストは欧州で不承認になった。我々としてはもう一段踏み込んで、将来のために研究開発投資をしっかりやっていく必要があると判断した」と、研開費を大きく増加させる背景を説明した。

◎中期計画の財務目標の達成時期見直しへ

中計では研開費率を「18~20%を目途」としているが、24年は20%を超える投資を行う計画だ。川口氏は、30年への長期ビジョンで掲げた「Life-Changingな価値の継続的な創出」に触れながら、「Life-Changingな価値を皆さんに届けるために、20%を超える研究開発投資を24年、そして25年も含めて会社の戦略としてやっていく」と表明。中計で掲げた最終25年時点の財務目標(KPI)について、「少し届かないことになる。財務KPIの達成時期は26年以降に見直したい」とも述べた。

なお、中計における25年の財務目標は、ROE:10%以上、売上収益成長率:CAGR10%以上、研究開発費率:18~20%を目途に積極投資、コア営業利益率:25%以上、研究開発費控除前コア営業利益率43~45%――などと設定している。

◎23年連結業績 過去最高益を更新 クリースビータは売上1524億円

23年の連結業績は売上4422億円(前年比11.0%増)、コア営業利益967億円(11.6%増)、親会社帰属当期利益811億円(51.5%増)――と増収増益で、過去最高益を更新した。北米を中心にグローバル戦略品が伸長。このうちクリースビータのグローバル売上は1524億円(19.9%増)で、米国では自社販売も始めた。23年は技術収入も増加し、アストラゼネカが販売するベンラリズマブに係るロイヤルティ収入は274億円(26.9%増)となった。為替による増収影響は189億円だった。

コア営業利益は、研開費の増加などを売上総利益の増加で吸収し、増益とした。為替による増益影響は65億円だった。

◎国内1.1%減収 毎年改定が響く

日本の23年売上は1470億円(1.1%減)だった。腎性貧血治療薬・ダーブロックなどが伸長したものの、22年4月と23年4月の薬価引下げの影響が大きかった。ミクスの調べでは、同社の22年4月の薬価改定影響は5%台半ば、23年4月は4%台前半だった。特にネスプAGの売上減が響いた(23年140億円、22年176億円)。

◎24年予想 国内8.8%減収 ジーラスタは36%減、BSと新薬創出等加算累積下げの影響大

24年の連結業績予想は、売上は4730億円(7.0%増)とする一方、コア営業利益は850億円(12.2%減)、親会社帰属当期利益は630億円(22.4%減)――と減益と予想した。売上はクリースビータを中心に引き続きグローバル戦略品の成長と、技術収入の増加を見込んだ。利益面は、売上総利益の増加が見込まれるものの、KHK4083を中心とした研開費の大幅増に加え、Orcahrd社の買収完了による研開費及び販管費の増加を織り込んだ。

日本の24年売上予想は前年比8.8%減の1341億円とした。国内市場で最主力品のジーラスタに23年11月、バイオ後続品(BS)が参入。これによりジーラスタの24年売上は前年比36%減の205億円の大幅減になると見込んだ。川口氏は、ジーラスタの減収要因として、BSによる浸食のほか、24年4月改定で新薬創出等加算の累積下げがあることを挙げた。同社は22年12月にジーラスタの自動投与デバイス「ボディーポッド」を発売しており、BSの影響最少化を図る考え。

【連結業績(前年同期比) 24年予想(前期比)】
売上収益 4422億330万円(11.0%増) 4730億円(7.0%増)
コア営業利益 967億8500万円(11.6%増) 850億円(12.2%減)
親会社帰属当期利益 811億8800万円(51.5%増) 630億円(22.4%減)

【国内主要製品売上(前年同期実績) 24年予想、億円】
ネスプ 32(34) 28
ネスプAG 140(176) 117
ダーブロック 99(66) 122
フォゼベル -(-) 33
レグパラ 17(22) 9
オルケディア 106(103) 117
ロカルトロール 29(31) 28
オングリザ 43(52) 30
コニール 15(20) 12
ジーラスタ 319(311) 205
フェントス 35(37) 30
ポテリジオ 19(20) 19
リツキシマブBS 90(103) 79
ロミプレート 120(104) 132
アレロック 55(60) 36
パタノール 20(28) 13
ドボベット 79(78) 71
ルミセフ 28(30) 26
ノウリアスト 76(80) 71
ハルロピ 45(40) 52
デパケン 28(33) 24
クリースビータ 105(89) 129

【グローバル戦略3製品の売上(前年同期実績) 24年予想、億円】
クリースビータ/Crysvita 1524(1271) 1888
ポテリジオ/Poteligeo 303(242) 344
ノウリアスト/Nourianz 158(145) 156

技術収入 419(338) 463
うち、ベンラリズマブ ロイヤルティ 274(216) -
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