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米「21世紀の治療」法案 下院委員会が満場一致で承認 

公開日時 2015/05/28 03:50

米議会下院のエネルギー・通商委員会は、5月21日、「21世紀の治療」法案(21st Century Cures Act)を満場一致で承認した。法案は、米国での新薬創製・開発から患者へ届けるまでのプロセスを合理化、迅速化することで、バイオ・医薬品産業の国際競争力を一層強化することを目的としている。NIH(国立衛生試験所)やFDA(食品医薬品局)の組織改革および運営の効率化、予算増などと若手研究者育成の支援など具体的に細かな点まで法律に明文化したのが特徴だ。

具体的には、▽NIHの今後3会計年度予算を毎年4.5%増加、▽NIHの業務の効率化、▽承認審査業務を含むFDA業務の効率化、▽希少疾病薬開発に対するインセンティブ強化、▽臨床試験効率化と迅速化、▽Precision Medicine(精度の高い医療=個別化医療)ガイダンスの策定、▽若手研究者の育成・支援––など、基礎研究・臨床開発からFDAおよびNIHの業務に至るまで幅広い改革を目指す内容となっている。

米国では財政逼迫による予算の執行停止措置がFDAのユーザーフィーを対象に行われる懸念があったが、今回の法案でユーザーフィーについては、その対象から免除することが明文化された。

NIH改革では、予算増加のほかに、今後5年間で毎年20億ドルを計上するというイノベーションファンドを創設する。 また、若手研究者に研究に専念できるように奨学金返済について毎年5万ドルを上限に支援を行う制度の創設することなども盛り込まれた。NIH機能の一層の強化が鮮明に打ち出されている。

同法案は、約1年前に超党派で提案され、本会議での議論が進む。米議会上院でも、今年末までには最終法案をまとめる予定。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)のJohn Castellani理事長兼CEOは同日、同法案の可決を歓迎する声明を発表した。委員会および関係議員に謝辞を述べたうえで、「多数の関係者を討議の場につかせ、1年間熟慮した結果、患者にとって重要な一歩を踏み出させた」と法案を評価した。FDAのユーザーフィーが予算執行停止から免除される条項が法案に組み込まれたことについては、「そのことは、FDAに安全で有効な医薬品への患者アクセスとレギュラトリーサイエンスを前進させることによって、公衆衛生上の使命を間違いなく果たすためには不可欠だ」と十分に予算執行が可能になるとして評価した。

米ジェネリック医薬品協会(GPhA)のRalph G Neas会長兼CEOも同日、声明を発表した。「『21世紀の治療』法案は医薬品承認プロセスを改善させるのと同時に重要な研究開発への努力を大きく向上させる無党派による成果である」と評価した。さらに、FDAのユーザーフィーが予算執行停止から免除されるようになることについて「特に歓迎する」と話した。



 

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