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日本臨床腫瘍学会 オプジーボの適正使用で声明 免疫学的有害事象に注意を

公開日時 2016/01/22 03:50

日本臨床腫瘍学会は1月21日、非小細胞肺がんの適応が追加され、医師、患者の注目が高まっている小野薬品のがん免疫療法薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)について、安全に配慮した適正使用を促す声明を発表した。同薬は「効果の発現形式や有害事象の特徴が従来の抗がん剤と異なる」として、特に、死亡例も報告されているという肺炎など、従来の抗がん剤では見られない免疫学的な有害事象に注意するよう呼びかけた。

声明では、従来の抗がん剤と異なる点について「一部の患者には比較的、長期間にわたり効果が持続したり、きわめて稀ながら効果が遅れて生じたりすることが報告されている」ことを紹介するとともに、「非特異的な免疫反応が増強することで生じると考えられている免疫学的な有害事象はいままでの抗がん剤治療では未経験のもの」と指摘。大腸炎、肺臓炎、甲状腺炎(甲状腺機能低下症など)、下垂体炎(下垂体機能低下症など)、皮膚炎、1型糖尿病、筋炎、末梢神経炎(ギランバレー症候群など)、重症筋無力症などを挙げた。

特に、肺臓炎について「発生頻度が、日本人では従来の抗がん治療薬でも高いので注意が必要。背景肺疾患に、放射線肺臓炎、未回復の肺炎、軽度の間質性肺炎などを有する症例もあったが、死亡例では全くの正常肺からの発症だった。肺がん患者への投与に当たっては、他の肺疾患を高率に有していることなどに留意して、安全性には十分に配慮して使用されるようにお願いしたい」としている。

声明は「長年にわたり期待外れとなっていた免疫療法で、はじめて肺がんを初めとする固形がんに有効性が示されたものである」として、効果に対する過度の期待や有害事象の軽視などが起こることを懸念。「ニボルマブは、臨床試験の対象とならなかった全身状態の悪い患者、合併症を有する患者、化学療法未治療の患者や術後化学療法における有効性及び安全性は確立していない」とし、安全に配慮した適正使用を促している。

声明は、大江裕一郎理事長と藤原康弘保険委員長の連名で出されたもの。同剤を巡っては昨年12月に日本肺癌学会も、副作用対策の徹底などを呼びかける声明を出している。(日本肺癌学会の声明の記事はこちら

<訂正>(1月22日10時30分)

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