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政府の規制改革実施計画 「薬剤配送」一気通貫のオンライン医療実現へ 薬剤師の判断で初回実施も可能

公開日時 2021/06/21 04:51
政府は6月18日の臨時閣議で、「規制改革実施計画」を決定した。医療分野では、薬剤師の判断で初回からオンライン服薬指導を実施することを可能とした。また、データヘルス改革で取り組む電子処方せんシステムの運用開始を視野に、「薬剤の配送における品質保持等に係る考え方を明らかにし、一気通貫のオンライン医療の実現に向けて取り組む」との考えを明記した。電子処方せんシステムは2022年夏を目途に準備されており、薬局薬剤師による患者へのオンライン服薬指導と調剤された医薬品の自宅配送の同時サービスが可能となる。

◎オンライン診療・オンライン服薬指導は恒久化へ 診療報酬上の評価も

オンライン診療については、「初診からの実施は原則、かかりつけ医」とする。ただし、かかりつけ医以外の医師が、あらかじめ診療録、診療情報提供書、地域医療ネットワーク、健康診断結果等の情報により患者の状態が把握できる場合を含むとしている。

一方でかかりつけ医を持たない患者や、かかりつけ医がオンライン診療を行わないケースについても触れた。その場合、オンライン診療を行う医師が、患者本人から医療履歴や基礎疾患、現在の状況などを把握し、医師と患者の双方が合意した場合の要件を含む具体案を検討するとした。このほか実施計画では、「対面診療との関係を考慮し、診療報酬上の取り扱いを含めて実施に向けた取り組みを進める」と明記した。

◎薬剤師の判断で初回からオンライン服薬指導の実施は可能


オンライン服薬指導について、「患者がオンライン診療または訪問診療を受診した場合に限定しない」とした。また、薬剤師の判断で、初回からオンライン服薬指導を行うことを可能とする。さらに、介護施設などに居住する患者への実施に係る制約は撤廃する。こうした状況を踏まえて、オンライン服薬指導の診療報酬についても検討するとしている。

◎22年夏の電子処方せんシステム導入視野に「薬剤配送」のラストワンマイル実用化へ

政府の進めるデータヘルス改革で電子処方せんシステムが22年夏にも導入されることを踏まえ、「薬剤配送」についての検討を明記した。これまでは患者が受診医療機関から処方せんを保険薬局に持参し、そこで調剤された医薬品を受け取っていた。しかし、オンライン服薬指導が導入されることで、患者自身が必ずしも保険薬局を来院する必要はなく、逆に薬局側も医薬品を医薬品卸や宅配業者、さらにはドローンを飛ばすなどして患者宅に届ける試みも検討されている。規制改革実施計画では、「一気通貫の医療実現に向けて取り組む」としており、薬局と患者宅を結ぶ新たなサービスとしての「ラストワンマイル」の議論が活発化する見通しだ。すでに一部の調剤チェーンなどが地域限定の実証研究も開始している。

◎プログラム医療機器の技術料評価 「医療従事者の働き方改革の視点」含めて検討

規制改革実行計画では、治療アプリなどのプログラム医療機器について、「柔軟かつ迅速な承認を可能とする審査体制の検討」を求めた。診療報酬上の技術料の評価については、「医療従事者の働き方改革等の視点を含めて、当該プログラム医療機器を活用して患者に対して提供される医療の質の確保・向上に係る評価の考え方を明確化する」とした。このほか、プログラム医療機器については、先進医療として「保険外併用療養費制度の活用が可能」であることの周知を行い、加えて、選定療養の枠組みの適用についても検討するとした。

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