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製薬協・中山会長 骨太方針への要望反映を評価 「類似薬の対象拡大」は業界ヒアリングで要望

公開日時 2019/06/27 03:53
日本製薬工業協会(製薬協)の中山讓治会長(第一三共会長)は6月26日の定例会見で、政府が閣議決定した骨太方針2019について、「官民対話で業界が要望した内容が含まれており、我々の主張と概ね一致している」と評価した。そのうえで、日本を世界最先端のヘルスケアイノベーション創出国とするために、製薬企業が二次利用可能な健康医療ビッグデータの早急な構築などを改めて求めた。一方で、政府が骨太方針2019に薬価制度抜本改革の手綱を今後も緩めない方針を明示したことに中山会長は、「支援策と評価がバランスしないと産業は育たない」として、薬価上での評価の必要性について言及。新薬創出等加算の見直しのほか、新薬の加算体系の再編、類似薬効比較方式での類似薬の対象拡大を求めた。

今回の骨太方針2019では、がんゲノムの集約化など、官民対話の場を通じて製薬業界が強く求めてきた事項は多くが盛り込まれている(関連記事)。中山会長は、「我々が目指しているところと相違ない」と述べた。そのうえで、製薬企業が二次利用可能な健康医療ビッグデータの早急な構築や神経変性疾患などがん・難病以外でのゲノム情報の集積、AMEDで数年間にわたって柔軟に運用できる基金の創設などを引き続き求める考えを示した。

◎2020年度改定で新薬創出等加算など3項目の実現目指す

中山会長は、18年4月の薬価制度抜本改革に始まり、10月の消費増税改定の実施、さらには費用対効果評価の制度化などで、「製薬産業は大きなダメージを受けている」と強調。すでに中医協で2020年4月実施の薬価・診療報酬改定の議論がスタートしたことを指摘しながら、①新薬創出等加算の改善、②新薬の加算体系の再編、③類似薬選定の基準見直し-について業界ヒアリングを通じ、理解を求めていく考えを明らかにした。

◎類似薬効比較方式を基本に「類似薬の対象拡大」

焦点の薬価算定方式については、類似薬効比較方式を基本としたうえで、類似薬の対象拡大を求める考え。ゲノム解析により、これまでの疾患別から遺伝子変異別で承認される医薬品が数多く登場するなど、これまでの延長線上にない医薬品が増加する。日本が世界最初の承認国となる医薬品も見込まれることから、薬価制度についてもイノベーションに適合したスキームの導入を製薬業界として求める方針だ。中山会長は、類似薬効比較方式の類似薬を効能・効果、薬理作用、組成・化学構造、投与形態だけでなく、「対象疾患の特性や、臨床的位置づけなど、医療実態の類似性についても総合的に勘案できる仕組みに見直す」ことを要望する考えを示した。

◎新たな視点における最類似薬の検討を

具体的には、患者数や重篤度など「対象疾患の特性」や、治療期間の長さやOS、PFSなど「既存治療の臨床的位置づけ」など、新たな視点における最類似薬の検討を求めている。さらに、診断や検査、処置、手術など、新薬が置き換わる医療技術の類似性の検討もあげた。例えば臓器横断型の抗がん剤であれば、同種同効薬以外での類似薬の選定も可能になる。特定の遺伝子変異に着目した治療薬も薬理作用に縛られない算定もできると説明した。

中山会長は、「これまでは海外が先行開発・上市されており、外国価格調整や輸入価格などでなんとか許容できる価格水準に調整されてきた」と説明。国がイノベーションを推進するなかで、「日本発の革新的新薬が出てきたときに、現行ルールでは適切に評価できない可能性がある。日本で世界最初に薬を創出するためには、類似薬を広げて考えていく必要がある」と強調した。一方で、コストを積み上げて算出する原価計算方式では、医薬品本来の価値が反映されていないとの考えを表明。類似薬の拡大で、類似薬効比較方式で算定できる医薬品を増やすことが、薬価算定の納得性を高めることにつながるとメリットを強調した。

◎加算体系の再編 “利便性”を評価軸の一つに

新薬の加算体系の再編について中山会長は、薬価収載後の効能追加などで有用性が示された品目の拡充を求めたほか、有効性・安全性などだけでなく“利便性”を明確な一つの評価軸に据えることを提案した。新薬創出等加算については、品目要件について薬価収載後の革新性・有用性の評価を拡充するほか、医療上の必要性が高く承認審査場で優先的に審査される品目を対象とすることなどを求めた。一方、企業要件については、「企業規模の影響を受けるため公平性に欠ける。相対評価で予見可能性が低い」として改めて撤廃を求めた。

すでにこの日午前中に開かれた中医協では、薬価算定組織が意見を表明している。薬価収載後の効能追加等による革新性・有用性の評価なども盛り込まれているが、「論点としては、我々の見ているところが含まれているが、方向性については我々の考え方を十分理解いただく必要がある。むしろ、積極的に意見交換、説明する必要がある」との考えを示した。
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