ロシュD 体外診断用薬4品目の承認取得 キイトルーダのMSI-Highがんの判定可能に
公開日時 2021/12/21 04:50
ロシュ・ダイアグノスティックスは12月20日、免疫組織化学染色法(IHC法)によりがん組織中のミスマッチ修復に関するタンパクを検出する対外用診断用医薬品4品目の承認を取得したと発表した。4品目により、MSDが製造販売するがん免疫療法薬キイトルーダのMSI-Highを有するがんのコンパニオン診断薬として使用できる。
細胞分裂の過程では、DNAが複製されるときに一定の確率で複製エラーが発生するが、細胞にはこのエラーを修復するミスマッチ修復(MMR)機能が備わっている。しかし、MMR機能が欠損すると、DNA複製時のエラーが修復されず蓄積され、がん化する場合がある。このようながん細胞では、マイクロサテライトが通常と異なる反復回数を示しているため、「マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がん」と呼ばれる。
今回承認を取得した4品目により、がん組織中のミスマッチ修復に関するタンパクのMLH1、PMS2、MSH2、MSH6を検出することで、MMR機能欠損判定検査として用いられる。ひとつでも消失していれば、MMR機能欠損(dMMR)と判定される。IHC法のdMMR判定検査としては国内初の体外診断用医薬品で、「がん化学療法後に増悪した進行・再発のMSI-Highを有する固形がん」、「治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸がん」におけるキイトルーダの適応を判定するための補助に使える。
ロシュDは「今回の承認により、固形がん患者のさらなる治療アクセス改善に貢献するとともに、1日も早い保険適用へ向けて尽力する」としている。