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医療用薬10製品に新効能などの追加承認

公開日時 2015/08/25 03:52
医療用医薬品10製品が8月24日、効能追加などの承認を取得した。

承認されたのは次のとおり。(カッコ内は成分名と会社名)
ブイフェンド錠50mg、同錠200mg、同200mg静注用、同ドライシロップ2800mg(ボリコナゾール、ファイザー):「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の効能・効果を追加。
 
トリアゾール系抗真菌薬。造血幹細胞移植患者は移植前治療や移植片対宿主病予防のための免疫抑制剤の使用などにより易感染状態にある。深在性真菌症が発症した場合の死亡率は高いため、国内外の診療ガイドラインで抗真菌薬の予防的投与が推奨されている。
 
レミケード点滴静注用100(インフリキシマブ遺伝子組換え、田辺三菱製薬):「既存治療で効果不十分な腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病」の効能・効果を追加。希少疾病用医薬品。
 
ベーチェット病は口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、などを起こす、全身性の炎症疾患。その中で腸管型、神経型、血管型は特に予後が悪く、有効な治療薬が求められていたという。腸管型では、多発性の深い潰瘍が特徴で、腸管穿孔や出血などで緊急手術を要することもある。神経型は、大脳、小脳および脳幹の委縮による認知症、精神症状や構語障害、運動失調が進行することがある。血管型は、動脈および静脈における血栓や瘤の形成が進行し、破裂が生じることもある。ベーチェット病においては難治性網膜ぶどう膜炎の適応を07年に取得していたが、今回の承認によって、StageIII以上の重症度に分類されるほぼ全ての患者の治療に使えるようになった。
 
この適応症については厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請を受けていた。
 
クラビット錠250mg、同錠500mg、同細粒10%(レボフロキサシン水和物、第一三共)
レボフロキサシン錠250mg「DESP」、同錠500mg「DESP」、同細粒10%「DESP」(同、第一三共エスファ)
:「肺結核及びその他の結核症」の効能・効果を追加。
 
薬剤耐性結核症や副作用により一次抗結核薬が使用できない場合の二次抗結核薬の1つとして位置付けられ、他の抗結核薬と併用して用いる。
 
この適応症については、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請されていた。
 
トラクリア錠62.5mg(ボセンタン水和物、アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン):「全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制(ただし手指潰瘍を現在有している、または手指潰瘍の既往歴のある場合に限る)」の効能・効果を追加。希少疾病医薬品。
 
全身性強皮症は皮膚や血管組織の硬化とそれに伴う症状を特徴とする機序不明の自己免疫疾患。同剤はエンドセリン受容体拮抗薬で、血管収縮作用を持つペプチドホルモンであるエンドセリンの受容体を阻害することにより、血流の改善を介して皮膚潰瘍の新規発現を抑制する。日本で今回追加した効能・効果で承認されている薬剤はない。
 
この適応症については厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請を受けていた。
 
アイノフロー吸入用800ppm(一酸化窒素、アイノ セラピューティックス エルエルシー):「心臓手術の周術期における肺高血圧の改善」の効能・効果を追加。希少疾病医薬品。
 
有効成分の一酸化窒素は血管弛緩に関与する内皮由来血管弛緩因子で、吸入することにより肺に直接作用させることで全身血圧の低下を引き起こすことなく肺血管を拡張させる。日本で今回追加する効能・効果で承認されている薬剤はない。
 
この適応症については厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請を受けていた。
 
トレシーバ注フレックスタッチ、同ペンフィル(インスリン デグルデク遺伝子組換え、ノボ ノルディスク ファーマ):「インスリン療法が適応となる糖尿病」を効能・効果とし、小児の用法・用量を追加。
 
アーチスト錠2.5mg、同錠10mg、同錠20mg(カルベジロール、第一三共):「頻脈性心房細動」の効能・効果を追加。
 
09年3月に日本心電学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本不整脈学会、日本心不全学会――の循環器関連主要学会から、同剤に心房細動の効能を追加することに関する要望書が厚労省に提出され、同社は国内で治験を実施し、今回の承認の取得に至った。
 
イクセロンパッチ4.5mg、同パッチ9mg、同パッチ13.5mg、同パッチ18mg(リバスチグミン、ノバルティスファーマ)
リバスタッチパッチ4.5mg、同パッチ9mg、同パッチ13.5mg、同パッチ18mg(同、小野薬品)
:「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能・効果とし、その新たな用法・用量として1ステップ漸増法を追加。
 
これまで消化器系の副作用を予防するため、12週間で維持量(1日1回18mg)まで4週毎に段階的増量する3ステップ漸増法のみを認めていた。今回追加した1ステップ漸増法は、4週で維持量に増量するもの。症状管理のため、より早くから維持量の投与を開始することが重要との考えに基づく。ただ、原則として通常は既承認用法・用量である3ステップ漸増法による投与を考慮し、患者の状態により1ステップ漸増法の投与可否を判断する。
 
両社の発表によると、それぞれ投与法について比較した二重盲検比較臨床試験では、有害事象による投与中止率は、1ステップ漸増法群で15.0%、3ステップ漸増法群で18.5%、有効性も同程度だった。
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