【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

EMA本部移転先に多数国が名乗り 英国のEU離脱問題で

公開日時 2016/11/15 03:50

英国が今年7月6日に実施された国民投票でEUの離脱を決めたことで欧州医薬品庁(EMA)の移転先に注目が集まっているところだが、当初から、誘致に名乗りを上げていた、イタリアやスェーデン、フランスのほかに、デンマークや東欧諸国なども誘致に熱心なようだ。Bloomberg通信や米医薬専門誌「Fierce Pharma」などが11月11日付で報じた。

イタリアは、EMAのGuido Rasi長官がイタリア人であること、また、長官就任前にはイタリア医薬品庁(AIFA)に長い勤務経験があることやAIFA長官が誘致を強く求めていること、スェーデンについては、世界で著名なカロリンスカ研究所や欧州疾病予防管理センター(ECDPC)の存在やライフサイエンスに強みを持っていることなどが上げられていた。イタリア政府高官はすでにミラノが最適との考えを示している。フランスでは、リヨン、ストラスブール、リールの名前があがっている。

これに加え、デンマークはコペンハーゲンにすでに世界保健機関(WHO)の欧州本部(国際本部はスイス・ジュネーブ)があることや大手製薬企業があることをあげている。ドイツでは、ミュンヘン、ボン、フランクフルトなどの都市が関心を寄せているという。

さらに最近注目されているのが、ブルガリア、クロアチア、ルーマニア、スロバキアなどである。これらの諸国はEUの行政機関がひとつもないため、EMAを移転させてもおかしくないとし、関係者は期待感を示している。

誘致に関心を寄せる理由は、EMAが来ることによって、欧州での当該国のプレゼンス向上が印象付けられること、現在約900人が雇用されているがその給与はEUが負担していること、当該地で会合・会議が頻回に開催されことで経済的メリットを生むこと、科学的レベルが上がる可能性があることなどが考慮されている。

一方で、英国政府や英国の関係者は、離脱に関わらず、EMAのロンドンからの移転を止めようとしている。英国製薬工業協会(ABPI)の代表は、EMAの業務の3分の1は英国医薬品庁(MRHA)が用意した専門家が行っていると最近の議会公聴会で述べた。移転すれば加盟諸国はその穴を埋めなければならないと指摘した。Bloomberg通信によると、英グラクソ・スミスクライン(GSK)のAndrew Witty CEOは、EMAが移転すると大きな混乱が生じるかもしれないと懸念を示した。

プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(0)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー