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抗血小板薬 レジスタンス発現で求められる検査の標準化  (3/4)

公開日時 2010/06/03 15:00
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―シロスタゾールについてはいかがでしょうか。


棚橋氏 一部の施設では、コラーゲン凝集まで抑制したとの報告もありますが、チエノピリジン系などに比較して抗血小板凝集作用は弱いと思います。


これは、作用機序の問題で、シロスタゾールは、cAMPを分解するホスホジエステラーゼⅢを阻害して作用を発揮しています。他の薬剤と比べ、心血管イベントの発症抑制効果に抗血小板凝集作用が寄与する割合が比較的低いかもしれません。最終的には、脳心血管イベントの発症抑制効果が重要ですので、どの作用機序がよいというのは難しいところがあります。


レジスタンスの1つとして、コンプライアンスの問題も指摘されていますが、シロスタゾールには頻脈や頭痛などの副作用があり、その結果途中で投与を継続できない症例も多く報告されています。

 

 


―臨床医は、抗血小板薬の不応例にどう対処すべきでしょうか。


棚橋氏 抗凝固薬と同様に、抗血小板薬でもモニタリングを行うことが解決につながると思います。ただ、標準化がなされていないことから、測定方法やカットオフ値など課題は山積しています。遺伝子多型も話題になっていますが、血小板凝集能を調べるのが良いのではないかと思います。ただ、測定方法によっては保険適応外であることもあり、コスト面の課題は残っており、難しい問題です。


不応例と判断した場合には、抗血小板薬の変更、追加というのも有用な選択肢です。私どもの施設での検討によりますと、クロピドグレルにシロスタゾールを上乗せすると、不応例は1例も発現しないことも分かってきました次ページ参照)。同様の報告が海外でもなされていますので、クロピドグレルとシロスタゾールの併用というのは、不応例を克服する上で今後の検討課題だと思います。クロピドグレルに関しては、増量することで、血小板凝集抑制の問題に関して解決できるという報告もあります。また、アスピリン不応例については、スタチンを上乗せすると、効果が増強されるとの報告もありますので、この結果も期待されますね。

 

 


―ありがとうございました。

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