後発品追補収載 初後発はエクメット、クレナフィンのみ 6月13日収載 モーラステープAGは収載なく
公開日時 2025/06/12 04:51
厚生労働省は6月12日、2025年6月の後発品の薬価基準追補収載を官報告示した。13日に収載する。初めて収載される後発品(以下、初後発品)は2成分5品目。▽2型糖尿病に対するDPP-4阻害薬とBG薬の配合薬・エクメット、▽爪白癬治療薬・クレナフィン――の2成分で、いずれも国内売上が100億円以上ある。クレナフィンの後発品は科研ファルマが承認を取得したオーソライズド・ジェネリック(AG)となる。
◎エクメット後発品 東和薬品と日新製薬の2社4品目が参入
ノバルティス ファーマが製造販売元で、住友ファーマが販売しているエクメット配合錠には、東和薬品と日新製薬の2社4品目の後発品が収載される。東和薬品、日新製薬ともに低用量の配合錠LDと、高用量の配合錠HDの両方の後発品を市場投入する。今年2月に承認されたダイトのエクメット後発品は今回収載されない。厚労省によると、「ダイトから薬価収載希望が出ていなかった」という。
◎クレナフィンはAGのみ 先発品と同じハケと一体型のボトル容器
科研製薬が製造販売するクレナフィン爪外用液には、科研ファルマの後発品のみ収載される。科研ファルマは科研製薬の100%子会社。科研製薬は24年2月の本誌取材に、科研ファルマのクレナフィン後発品はAGだと認めるとともに、同AGの剤形は先発品と同じハケと一体型のボトル容器と説明していた。
このほか、2月に承認されたいわゆる“後追いAG”である▽経皮鎮痛消炎剤・モーラステープのAG(承認取得企業:祐徳薬品)、▽月経困難症治療薬・ヤーズ配合錠のAG(バイエルライフサイエンス)、▽ドライアイ治療薬・ジクアス点眼液のAG(参天アイケア)――は、いずれも今回収載されない。厚労省によると、祐徳薬品はモーラステープAGの薬価収載希望を出さなかったようだ。
◎後発品等収載品目数は計38品目、うち初後発は5品目 いずれも過去最少
25年6月の後発品等の収載品目数は計38品目、うち初後発品は5品目で、2009年以降、全体及び初後発品とも最も少ない収載品目数となる(24年11月の局所麻酔薬・アナペイン注の後発品の特例的薬価収載を除く)。
厚労省はこの要因について、「一概には答えられない」とした上で、「例えば後発品の使用促進の流れの中で使用シェアが増えてきたが、それが徐々に頭打ちになってきた。昨今の後発品を取り巻く状況もある。こうしたことなどの影響だと思う」と話している。
【訂正】下線部に表記していたアマリール錠のAG(日本ケミファ)は統一名収載されました。修正します。(6月12日9時15分)